2021年02月11日

【風刺寓話】お笑い新喜劇の会場にて


開演(幕が上がる)

女芸人達「ぺちゃくちゃ…ぺちゃくちゃ…ぺちゃくちゃ…」

男芸人「女がたくさん集まると話が長くなり時間がかかるよな…」

女芸人達「うるさいわね、大きなお世話よ!」

会場観客(笑)

観客A「女性差別だ!」

女芸人達&男芸人「えっ?…」

観客A「男性の今の台詞は女性蔑視発言です。女性差別を行う役者を認めるわけにはいきません。役者の交代と台詞の訂正を要求します。」

一部の会場観客「…そうだ、そうだ、女性差別だ!」

女芸人達&男芸人「・・・・・」
     ・
     ・
     ・
会場アナウンス「会場の皆様、誠に申し訳ございませんが、本日の新喜劇は諸事情により中断させていただきます。」

女芸人達&男芸人「・・・・・・・」

会場観客「おいおい、どうなってるんだ、冗談じゃないぞ!」

会場アナウンス「チケット代は払い戻しさせていただきますので、何卒、ご容赦願います。」

会場観客「みんな、帰ろうぜ、こんな劇場、二度と来るか!」

観客A「これが女性差別をした芸人に対する報いだ!」

女芸人達&男芸人「・・・・・・・・・」

(この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。)

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posted by 自由に考える人 at 20:06 | Comment(0) | フィクション
2020年04月15日

【風刺寓話】「新型コロナ教」の誕生


(この物語はフィクションです)

 西暦2020年、世界は新型コロナウイルスの猛威に晒された。

 人々はこの治療法のない新しい未知のウイルスの脅威から盲目的に逃げ惑い、多くの人は恐怖に耐えきれず自宅に籠ってしまい誰とも会わなくなった。
 そのため、識者達は知恵を絞り、ウイルスの蔓延を防ぐために、「三密」という戒めが書かれた警告書を創り出した。そして、時の政府はその「三密」を基にして外出禁止令を出すに至った。

 新型コロナウイルスを恐れる人々は、悪魔の如きウイルスの憑依から逃れるために「密閉」「密集」「密接」という3つの戒めが書かれた警告書を聖なる書として崇め、世界中に拡めることに努めた。そしていつしか、この教えに背いた者は邪教徒の烙印を押され蔑まれるようになっていった。

 その後間もなくして、新型コロナウイルスは終息したものの、人々を救った戒めとして「三密」の教えだけは残り、人々は「密閉」「密集」「密接」という言葉を毎日のように唱和するようになっていった。
 その言葉は無意識の内に横で聞いていた子供達の純粋な心にまで刷り込まれていった。

 ある平和主義者は、「三密さえ唱えていれば病気にならない」という間違った常識を喧伝するようになり、他人と密接な関係を築くことは悪いことだとする自虐的な価値観が燎原の火の如く世界を駆け抜け、人々の心の奥深くまで染み込んでいった。

 その後、人々は、もはや新型コロナウイルスが存在しないにも拘らず、外出時にはマスクで顔を半分隠すことが習慣となり、外気に口を晒すことは許されない行為とされ、他人に口を見せることは、より罪深い行為として断罪されるようになっていった。

 他人はもとより親子兄弟とも距離を置くことが当然の行為とされ、人々は親しい友人を作ることも異性と交際することも後ろめたいことだと思い込み控えるようになっていった。

 そういった常識が根付いて行くことによって、人々は子供を作る機会も子供を抱いて愛情を注ぐ機会も失っていくことになり、知らず知らずのうちに世界人口が急減する原因を自ら作り出すことになってしまった。

 しかし、そのことを警告する者は誰もいなかった。否、誰もいなかったというのは正確ではない、正確には、誰も言い出すことができなかった。なぜなら、異論を許さない全体主義的な空気が世間に充満していたからである。

 新型コロナウイルスは、人々の恐怖心とパニック現象に介在することによって、これまでの常識を全て破壊する勢いで世界を大きく変えていった。人々はまるで記憶を喪失したかのように新型コロナウイルスが流行した以前の文明を思い出すこともなく、かつての生活様式を忘却の彼方に置き忘れたかのようだった。

 西暦202×年、この「三密」を教義とした教えは、瞬く間に世界共通の常識となっていった。その教えは後の世でこう呼ばれるようになった。「新型コロナ教」と…。


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posted by 自由に考える人 at 22:44 | Comment(0) | フィクション