2021年06月19日

格安スマホ業界にまで波及した価格破壊


■スマホと携帯の2台持ちを卒業

 政府主導のスマホ料金の価格競争の影響もあってか、今年の4月から格安スマホの料金体系も大幅にリニューアルされたので、この機会に、スマホと携帯の2台持ちを卒業して、長年(20年以上)使用してきた携帯電話を解約する運びとなった。

 これまでは、携帯(090)とIP電話(050)とデータ通信で毎月3000円以上支払っていたものが、来月からは毎月770円(税込)ということになるので、いきなり月額料金が4分の1に下がることになる。(有料電話を使用しなければの話)

 テレビで宣伝している「ahamo」や「povo」は毎月20GBの料金プランだが、私の場合、現状、スマホで動画は観ないし、外出先ではほとんど使用せず、自宅のWi-Fiで使用する程度なので、取り敢えず、最低容量の毎月1GBプランで再契約した。もし、1GBで足りないようなら、3GBに増量しても毎月1000円以下なので、この辺が最適な切り換え時だったのかなと思う。ただ、携帯を解約するのは一抹の寂しさと言い様のない虚しさも感じた。

■容量1GBで観れる動画は2時間

 IP電話も当初は便利かなと思って契約したものの、数年間ほとんど利用しなかった。家族や友人との電話はLINE電話を使用すれば事足りてしまう。LINE電話を使用すれば、IP電話を使用する必要が無くなり、IP電話による飲食店の無料予約も昨今のコロナ禍の影響で無意味化してしまったため、解約することになった。

 ちなみに、容量1GBで観れる動画(YouTube)は大体2時間程度ということらしいので、1GBコースでYouTubeを観るとなると、1日4分間しか観れないことになる。

 私の場合、テレビを全くと言っていいほど観なくなった代わりにYouTubeは結構観ている。チャンネル登録しているYouTubeチャンネルが50チャンネル以上あるので、毎日、2時間程度(全て2倍速で視聴)は観ているかもしれない。
 これを全てスマホで観るとなると最低でも30GBは必要ということになってしまう。私が契約している格安スマホでは毎月30GBコースがMAXとなっているが、その場合は毎月6000円程度必要となるので、あまり現実的とは言えない。自宅にパソコンもタブレットもWi-Fiも無いという人なら、スマホオンリーでも元は取れるのかもしれないが。

■過剰なまでの価格競争が招いた「自虐経済」

 政府主導のスマホ料金の価格競争は、幸か不幸か、格安スマホ業界にも波及した。携帯電話が登場した頃、毎月3000円以上の基本料を「高い」と思う人も文句を言う人もほとんどいなかった。当時では、“電話を持ち歩ける”という便利さだけで多くの人の財布の紐が緩んだ。

 それから20数年、電話を持ち歩けることは当たり前、無料の電話もメールも当たり前、動画も観れる小型パソコンと化したスマホが毎月1000円以下で利用できるようになった。

 もし、過剰なまでの価格競争というものが無ければ、現在でも毎月1万円を支払ってスマホを使い続ける人は大勢いたことだろう。性能や利便性は格段に進歩しても、価格は下がり続けるという矛盾。その矛盾はちょうど、年々、能力が向上しているにも拘らず給料が上がらない(むしろ下がっていく)サラリーマンの姿を彷彿とさせるものがある。

 そういった矛盾に疑問を感じなくなった社会。経済の専門用語で言えば、「合成の誤謬」が齎す「自虐経済」、我々はいつからこんな社会を良しとするようになってしまったのだろうか?

------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 00:01 | Comment(2) | 経済
2021年04月30日

無礼な「ハンバーガー会談」と「MMT」を理解していない米民主党


■失礼極まりない「ハンバーガー会談」

 米民主党のバイデン氏は、2兆ドル(約220兆円)の経済政策を発表したが、その原資は「富裕層への増税」と「法人税の増税」で賄うとしており、これが本当に実施されると米国経済が悪化するのではないかという懸念が囁かれている。

 それに加えて、「最低賃金を大幅に上げる」とも述べており、まるで同じ政策で失敗した韓国の文在寅大統領を彷彿とさせるものがある。

 先日、行われた日米首脳会談は「ハンバーガー会談」とも揶揄されたが、あのような席上で皿に盛られたハンバーカー1つというのは、まるで飼い犬に餌を与えているかのようなイメージが想起され、日本人にとっても、また、菅総理に対しても実に失礼な態度に映った。

 米民主党にとっては、「占領国の日本の総理大臣などはハンバーガー1つで十分だ」と思っているのだろうか。仮にそう思っていなくても、そう受け取られても仕方がないような絵面だった。

■「MMT」を理解していなかったフシのある米民主党員達

 しかし、米民主党は「MMT」に理解がある政党ということになっていたはずだが、今回の政策を見る限りでは、「MMT」など全く理解していなかったのではないか?という疑問を感じてしまう。

 元々、極左の社会主義者と言われるアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏が「MMT」を言い出したことも疑問だったが、どうやら彼らは「MMT」を単なるバラマキ肯定論だと誤解していたフシがある。

 オカシオ=コルテス氏は「国家にとって財政赤字は問題ではない」と言ったとされるが、それはある一定のインフレ率になるまでの話であって、際限のない赤字が許されるという意味ではない。その条件を外してしまえば、それは「MMT」ではなくなってしまう。
 そして、大幅な増税などというのは、激しいインフレになった場合の処方箋であって、景気対策と称して財政政策と同時に行うべきものではない。

 そもそもアメリカは日本のような深刻なデフレ国家ではなく、コロナ禍以前は経済が順調に成長していた国である。
 日本以上にコロナ禍が酷いという意味では、巨額の財政政策は必要だろうけれど、原資を増税で賄うというのは悪手以外のなにものでもない。

 「MMT」の要諦は、需要が大幅に足りない場合は、国民の負担となる増税に頼らずにお金を刷っても問題は発生しない(=激しいインフレにはならない)という理論であるので、彼らが本当に「MMT」を理解しているのかは疑わしい。



------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 23:48 | Comment(0) | 経済
2021年04月18日

転んでもただでは起きない「ahamo」


■「月額料金」以上の「サポート料金」

 ドコモの新スマホ料金プラン「ahamo」のテレビCMが流れ出し、先月(3月)からサービスが開始されたばかりだが、4月になって早々に店頭でのサポート料金追加の発表があった。

 私が以前に書いたブログ記事の予想通りの展開だが、1回のサポート料金は3300円(税込)であるらしく、4月22日からスタートするらしい。
 「スマホ使用料が安くなった」と喜んでいたような人にとっては梯子を外されたような気分かもしれない。

 オンラインのみでのサービス提供は、ある程度のITリテラシーが無いと、自己責任(事故責任)でメンテを行うのは少々難が有るので、この展開は多くの人が予想していたのではないかと思う。

 1回のサポート料金が、スマホの月額使用料よりも高いというのは御愛嬌だが、スマホ料金の大幅値引きという苦渋の選択を余儀無くされた政府に対するささやかな抵抗なのかもしれない。

 このサポート料金というのも、今後は他の大手キャリア(KDDI、ソフトバンク、楽天)も追随していくことになるのだろうと思われる。そしてこちらも政府の指導が有るかどうかに関係なく価格競争が始まり、3000円(税込)→2500円(税込)→2000円(税込)と、サービス料金が下がっていくのかもしれない。
 予め、料金が下がっていくことを見越した上での料金設定ということであれば、月額使用料以上に設定することは当然とも言えるだろうか。

■「20GBプラン」だけが話題になる不思議

 しかし、いつも不思議に思うのは、話題になっているのは全て「20GBプラン」だということ。テレビCMだけを観ていると「20GBプラン」が最安値という印象を抱いてしまいがちだが、ドコモを例にとっても、「1GBプラン」というものもあり、条件次第では「ahamo」よりも安い料金設定になっている。

 外出先で動画を頻繁に観るというならともかく、自宅のWifiでスマホを利用している分には、1ヶ月20GBも必要ないような気もする。私自身もスマホはほとんど自宅でしか使用しないので、1ヶ月1GBコースでも十分かな…と思う。

 多分、ITリテラシーの低い人というのは「1GB」というデータ容量がどれ位のものかということがピンとこないのではないかと思う。
 私の場合、インターネット以前からパソコン通信(従量制料金)をやっていたので、データの容量には敏感にならざるを得なかった経験があるため、1KB、1MB、1GBがどの程度のものかというのが肌感覚で分かってしまうが、ブロードバンド化した後にインターネットを始めたような人は、メールの添付ファイルのデータ容量など考えたこともないというような人も多いのかもしれない。

■スマホ料金の節約には「自助論」が必要

 これまで、少しスマホの調子が悪くなりトラブルが発生する度に、サブスクサービスを利用するかの如く携帯ショップに訪れていたような人は、今後、毎月1回、サポートを受けるだけで月額使用料が2倍以上になってしまい、場合によっては以前に支払っていた料金以上になってしまうことも有り得る。

 毎月のスマホ使用料を支払った上にサポート料金まで支払いたくないと思う人は、少なくとも自分自身が1日でどれ位のデータ量を使用するのかくらいは認識しておく必要があると思う。

 それ以前に、なんでもかんでも他人任せの姿勢を改めて、自分自身で行うことを是としなければ、本当のスマホ節約はできないと思う。

 政府のスマホ料金の値下げ指導は、消費者に「自助」の精神を促すという意図していなかった結果を齎すことになるかもしれない。

 「天は自ら助くる者を助く」と同様、「スマホ料金も自ら助くる者を助く」となる。



------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 08:42 | Comment(0) | 経済
2021年04月03日

日本経済全体にマイナスな「総額表示」


■商品価格の「総額表示」という善意の施策

 この4月1日から、商品価格の「総額表示」(税込表示)が義務付けられたため、店頭に並んでいる商品が一気に値上がりしてしまったかのような印象を受ける。これが消費者に与える影響は甚大で、一部、買い控えを招く可能性も否定できないため、ユニクロやジーユーは消費税分を値下げするという大きな賭けに出た。

 これまで「1990円」「2990円」「3990円」「4990円」…という具合に、ギリギリ大台前の価格設定にすることで、消費者に「安い」という印象を持ってもらうことに注力してきたショップが、いきなり税込表示を義務付けられると、これまでのイメージ戦略が台無しになってしまう。そういう意味で今回の法改正は販売者泣かせの政策だとも言えるが、消費者の買い控えを招くという意味では、日本経済全体にとってもマイナスの影響を与えかねない政策とも言える。

 「総額表示」は消費者にとって便利だと思えても、その善意の施策が、販売者だけでなく消費者にも実害を与えかねない。言わば、これも「地獄への道は善意で舗装されている」に成りかねないとも言える。

■商品値下げと円安のダブル効果で株価が下落

 しかし、なぜ今頃、このような法改正が行われたのだろうか?

 表向きは「税抜表示は消費者に紛らわしい印象を与えるので税込表示に変更した」ということになっているが、噂では、「消費増税のマイナスイメージを避けるため」というようなことも囁かれている。
 要するに、商品価格とは別に消費税がどれだけ上乗せされているかを消費者に考えさせないためということらしい。あくまでも噂話なので真偽のほどは分からないが、今後の消費増税の伏線なのだとすれば、「やれやれ…」と言いたくもなる。

 ユニクロはいきなり9%も値引きすることになったため、当然、売上もその分だけ下がることになる。おまけに、悪いことは重なるもので、現在は円安に振れている。この3ヶ月間で8円も円安に振れてしまったため、さらに悪影響を被ることになる。

 ユニクロを運営するファーストリテイリング(9983)の株価は、3月2日には110,500円の最高値を付けた後、徐々に下がり始め、3月25日には82,570円まで下落した。元々、騰がり過ぎていたとはいえ、わずか1ヶ月足らずで25%も下がったことになる。

 ファーストリテイリングの株は分割でもしてくれない限り高過ぎて買えないが、今後、更に円安が進むと、更なる株価下落も有り得る。

 商品価格が9%ダウンし、円安でも9%ダウンと考えると、計18%程度の下落は織り込み済みといったところだろうか。
 110,500円×82%=90,610円ということになるので、現在の株価(90,470円)は妥当なところなのかもしれない。

------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 09:48 | Comment(1) | 経済
2021年03月20日

ブックオフの「株主優待券」が無くならない理由


■ブックオフの「株主優待券」制度

 最近の株式市場は、実際の景気とは裏腹に活況を呈しているせいか、多くの人々が株式市場に新規参入していると伝えられている。今年は3月29日に「株主権利確定日」を迎えるため、初めての配当金狙いや株主優待狙いの買いも、いつも以上に入ってきているようだ。

 1日の株価の値動きが配当金以上になる株式を、わざわざ「株主権利確定日」まで我慢して持っていられるような腰の座った個人株主がどれだけいるのかは定かではないが、世の中には「配当金」だけでなく「株主優待券」をゲットすることを生き甲斐にしているような人もいる。

 企業が赤字になっても配当金が必ずしも支払われなくなるわけではないが、決算内容によっては配当金は増減する。

 では、「株主優待券」はどうだろうか?

 例えば、私の場合、ブックオフの株主なので、毎年、優待券(お買物券)が送られてくる。いつの間にか株主優待券の確定日が3月末ではなく5月末に変更されたみたいだが、株主優待制度としては以下のようになっている。

BOOKOFFyuutai.png

【参照サイト】BOOKOFF株主・投資家情報
 
■「株主優待券」を配って得する理由(わけ)

 私は複数株保有しているが、1株主の場合は、2000円分のお買物券が送られてくる。
 企業経営が悪化すると、配当金が減少したり、無くなったりすることがあるが、ブックオフの場合も配当金は減少しているが、優待券が無くなったことは無い。

 経営状況があまり芳しくない企業が優待券を出し続けるのは会社にとって負担になるのでは?と思う人がいるかもしれないが、優待券は額面通りの現金を配っているわけではないので、多分、どれだけ経営が悪化したとしても無くなることはないと思う。そういう意味では、株主にとっては絶対的に保証された配当金とも言える。

 その他の企業と同様に、お買物券の本質は“原価で商品が買える”という代物だと言える。ブックオフの場合、「販売されている商品価格ではなく、仕入れた原価でお買い物ができますよ」と考えると解りやすい。

 例えば、200円で販売されている本を仕入れた金額が10円の場合、お買い物券を持った株主に対しては仕入れ値の10円で本を販売しているというイメージになる。ゆえに、実質的に2000円のマイナスになるわけではなく、100円程度のマイナスで済む計算になる。(あくまでも、このケースの場合)

 それに、お買い物券をもらった限りは、必ず全て使用することになるので、売れ残った本を売るチャンスでもあり、10円で仕入れた本が200円で売れれば、190円のプラスになる。

 「仕入れ値の合計金額」と「優待券販売による利益」を比較すると、新刊ばかり買う人でない限り、大抵は後者の方が高くなるので、結局、優待券を配った方がプラスになる可能性の方が高くなる。だから、仮に赤字経営になっても優待券は無くならない。

(追記)一部、記事中に誤解がありましたので、訂正しました。

------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 10:29 | Comment(2) | 経済
2021年02月19日

「失われた30年デフレ」に終止符を打つ奇策


■雇用調整助成金のリハビリ期間は長期で考えるべき

 政府はコロナ特別雇用調整助成金を4月まで続けることを発表していたが、5月から6月にかけて特例措置を段階的に縮小していき、7月からは更に縮小すると発表している。

 段階的に支給率を引き下げていくことには賛成するが、その期間があまりにも短過ぎるのではないかと思える。
 足掛け1年以上もの間、雇用調整助成金に頼ってきた多くの企業が、元の状態に戻るためには、それなりのリハビリ期間が必要であり、その期間は数ヶ月間という短い期間ではなく、できれば数年間単位にすることが望ましい。

 これだけ激変してしまった企業を取り巻く経済状況を、たった数ヶ月間で1年前のコロナ発生前に戻すようなことは至難の業であり、あまりにも現実味に欠けた発想だと言える。この辺にも、現政府の経済センスの無さが垣間見える。
 ここで言う「経済センスの無さ」とは、一言で言えば、「世情に疎い」ことを意味する。

 ここで、「国は数年間も補助金を出す余裕が無い」と思った人がいるかもしれないが、補助金は税収で賄うわけではないので心配する必要は無い。

 こう言うと、「将来世代に借金を背負わすことになる」と思った人もいるかもしれないが、それも誤解であり、子孫が借金を背負う必要など無い。

 さらに、「現役世代で賄うなら消費税を上げなければいけなくなる」と思った人もいるかもしれないが、そんな必要は微塵も無い。

■1年間で100兆円ずつ、1000兆円の国富増加策

 政府が、いきなり1000兆円も大盤振る舞いして財政出動するとインフレになる危険性があるが、1年間で100兆円ずつを10年間続ける程度なら、おそらくインフレにはならない。
 仮にインフレになったとしても、せいぜい1%や2%程度だろうから、全く問題がない。
 それでも、政府が長年目標にしてきたインフレ率2%に達するだけのことなので、むしろ喜ぶべきことだとも言える。

 万が一、インフレ率が3%以上になった場合は、MMTの言う通り、増税すればいいだけ。増税とはインフレを退治するための経済政策である。

 よく「インフレになった場合、政府は簡単に増税できるのか?」というトンチンカンな発言をしている人がいるが、デフレ下で掟破りの増税を行う政府が、なぜインフレ下で増税できないと思えるのか理解に苦しむ。

 特に日本の場合、これまで緊縮財政まっしぐらでお金が足りない状態が続き、あっぷあっぷしながらやってきたため、マイナスの貯金が貯まっているような状態だとも言えるので、他国以上にお金を増やす余地が有る。10年間で1000兆円の国富を増やして挽回し、景気を良くするチャンスだとも言える。

 こう言うと、「政府は金融緩和をし続けてきたが景気は良くならなかったのでは?」と思った人がいるかもしれないが、それには理由がある。

 そのお金の大部分は市場に出ておらず、日本銀行内にブタ積みされているだけなので、ほとんど意味を為していない。金融政策だけで景気が良くなるというリフレ派の間違いは、この部分を理解していないことにある。
 リフレ派は名誉挽回するためにも、この機会にこっそりと金融政策から財政政策に舵を切り替えるべきだと思う。

 景気を良くするチャンスが目の前にあるというのに、そのチャンスに気付かず、実行することもできず、無為無策を決め込み、その上、更に無意味な増税を行うというのであれば、あまりに愚かであり度し難い。

 経済センスの有る政治家であれば、このコロナ禍を逆手に取って、30年デフレに終止符を打つことができるかもしれない。

------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 23:50 | Comment(0) | 経済
2021年02月13日

「オンキョー」の危機的な赤字決算


■オンキョー上場廃止の可能性

 楽天(4755)が過去最大の1141億円の赤字を発表した。スマホ関連の巨額の先行投資が重しになっての赤字決算なので、これは予想通りの結果であり特に驚く内容でもないのだが、その影に隠れてオンキョーホームエンターテイメント(6628)が33億円の赤字決算を発表し、上場廃止が危惧されている。

 少し個人的なことを書かせていただくと、実は私はこの両社の株主でもある。センスが無いと言われそうだが、オンキョーの場合は、昔、オンキョーに買収される前のソーテックの株を遊びで購入してしまったのがキッカケで売れずに放っておいたのが災いして大きな含み損を抱えたままだった。一時、アップルと提携して株価が跳ね上がったものの、その後は下がっていく一方だった。
 昨年の時点で、さすがにこれは持っていても望みは無い(ヘタをすれば上場廃止・経営破綻)と判断して税金対策も兼ねて損切りしたという経緯がある。

 昔は、オンキョーのスピーカーと言えば高音質で有名で、個人的にも愛用していたものの、アップルのiPodが出てからは全く使用しなくなった。以前にもブログ記事で紹介させていただいたが、現在では安価なパソコン用スピーカーやBluetoothスピーカーが数多く販売されている(以下のスピーカーがオススメ)ので、もはや従来のステレオコンポ用の大型スピーカーは、音響マニアでもない限り無用の長物になってしまった。



■“高音質”よりも“臨場感”を追求するべき

 オンキョーは以前、ソーテックを買収して“パソコンに高音質スピーカー”というコンセプトで売り出していたが、あまり需要が無かった。その後、非圧縮高音質のハイレゾミュージックに着手したが、これも思ったほどの需要は見込めなかったのではないかと思う。実際に、私個人もオンキョーの株主優待でハイレゾ音源のミュージックをいくつかダウンロードしてみたが、データが重くて扱いづらいという理由もあって1度も聴いていない。

 テレビと同様、多くの消費者は高いお金を支払ってまで、高画質・高音質には拘っておらず、それなりの映像・音質で満足している場合が多い。4Kテレビは確かに奇麗だが、高価な8Kテレビまで欲しいというような人はほとんどいないと思う。

 レンタルDVD店に行っても、未だにブルーレイソフトよりも普通のDVDソフトの方が圧倒的に多い。ソフトを再生するハード(DVDプレーヤーとブルーレイプレーヤー)の値段がほとんど変わらなくなってもこれなのだから、消費者はそれほど高画質を求めておらず、多少、画質が悪くても観れればよいという感覚なのかもしれない。購入してコレクションにするようなマニアは別として、世間一般の消費者は、その点はあまり執着心がなく、極めて刹那的な感覚なのだろう。

 音楽を聴くにしても、素人耳には上述した数千円程度のBluetoothスピーカーでも必要十分な高音質が堪能できるので、数万円、数十万円を出してまで、それ以上の高音質を望む人はほとんどいないのではないだろうか。

 映像がVR(仮想現実)になったように、音楽も、これからは“高音質”を追求するよりも、多少、音が悪くなろうが、その場にいるような“臨場感”のあるVR音(既にそういった技術は存在しているが)を追究していく方が需要が見込めるかもしれない。

【関連記事】「BOSE閉店」様変わりしたスピーカー業界
------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 10:51 | Comment(2) | 経済
2021年02月05日

「50年実質ゼロ」の意味するところ


■2050年までに全ての車を「電気自動車」にする危険性

 政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする方針「50年実質ゼロ」を目標に掲げており、2030年代半ば(15年後)には、ガソリン専用車は製造・販売できなくなるとも言われている。

 それでも、ハイブリッド車については製造・販売が継続されるらしいが、ハイブリッド車にしても電気自動車にしても二酸化炭素は排出されるものなので、温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることは不可能だと思われるのだが、なぜ政府はこんな無茶な政策目標を国民に何の説明もなく勝手に決めてしまうのだろうか?

 国民を代表する形でトヨタ自動車の豊田章男氏も、こういった政府の強引な方針に苦言を呈しており、このままでは「自動車業界のビジネスモデルが崩壊してしまう」と憤りを隠さない姿勢を露にしている。

 「ガソリン車」を全て「電気自動車」に変えると言われても、ピンと来ない人がいるかもしれないので、言葉を置き換えてみると、次のようになる。

 2050年までに「石油ストーブ」を全て「電気ストーブ」に置き換える。

 さて、これは何を意味するのだろうか?

■エネルギー源を「電気」のみに頼る危険性

 日本では、夏になると冷房機器を使用し、冬になると暖房機器を使用する。冬場は、エアコン、ガスストーブ、石油ストーブ、電気ストーブ等、エネルギー源の違う様々な暖房機器を選択できるが、夏場は基本的にエアコンか扇風機しか選択肢が無い。
 そのため日本では夏場に限って電力量が上限に達して電力不足となり、節電しなければならないという事態が発生する場合がある。その原因は単純で、エネルギー源を“電気”にしか頼れないからである。

 一昔前に流行った「オール電化住宅」というのも、一見、便利そうに見えても、電気が使用できなくなれば生活できなくなるという問題が表面化し、1つのエネルギー源に頼ることのリスクというものが見直された経緯がある。

 全ての車を電気自動車にするのであれば、エネルギー源を電気にしか依存できなくなるので、政府は途切れることのない十分な電力量の確保というものを真っ先に考えなければならない。現在の火力発電だけでは十分な電力量を調達できないので、原発に頼るしかなくなる。それもただ、現在の原発をフル稼働するだけに留まらず、新たに原発を何基も新設しなければカバーできないとも言われている。

 そういった思惑も働いているせいか、東京電力株(9501)は、今年に入ってから鰻上りに上昇しているが、なぜか政府からは「原発」という言葉は全く出てこない。全て電気自動車にするという意気込みを伝えるのみで、原発稼働については全く触れていない。政府は、原発に代わる代替エネルギー(フリーエネルギーのようなもの)が手に入る目算でもあるのだろうか?と疑いたくもなる。

■理想を追い求めるあまり、現実を無視する危険性

 もし、代替エネルギーも無く、原発も稼働・新設する気も無いのに、「50年実質ゼロ」を目標に掲げているとなると、日本経済が向かう先は奈落の底になってしまう。豊田章男氏の「自動車業界のビジネスモデルが崩壊してしまう」以前に、日本経済が崩壊してしまう危険性がある。

 必要なインフラの整備もままならない状態で、どれだけ立派な目標を掲げても、掛け声だけで終わってしまう。この点は、政府が進めているデジタル化にしても同じことが言える。

 ITビジネスアナリストの深田萌絵氏も自身のYouTube動画で述べておられるが、政府のデータセキュリティが脆弱な状態でデータをデジタル化しても、そのデータを盗まれる可能性が高くなるだけだ。

 電気自動車を推し進めるのであれば、大量の電気を賄う電力インフラが必要であり、政府データのデジタル化を推し進めるのであれば、データを強力に保護するセキュリティシステムが必要になる。政府はまず、そういった基本インフラシステムの構築をこそ目標に掲げるべきであり、結果としての理想だけを目標に掲げるのは現実的とは言えない。

 エコな電気自動車ばかりが走行している未来の風景を思い浮かべるのも、デジタルデータ化で便利になった社会を思い浮かべるのも自由だが、その目的を達成するために必要不可欠な課題から目を背けていては、その未来像は決して明るいものにはならない。

------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 23:55 | Comment(0) | 経済
2021年01月29日

政府はコロナ禍をソフトランディングさせることができるか?


■3月一杯まで延びた「コロナ特別雇用調整助成金」

 「コロナ特別雇用調整助成金」は当初、2月一杯までということになっていたが、1月22日の厚生労働省の発表では、取り敢えず3月一杯まで延長されたらしい。
 その延長の判断指標は、「緊急事態宣言が解除された月の翌月まで」ということになったらしく、仮に2月7日で緊急事態宣言が解除されれば、3月一杯までということになり、緊急事態宣言の解除が3月までズレこめば、4月まで延長ということになる。

 しかし、緊急事態宣言の解除だけを指標にするのもどうかと思う。政府はマスコミの行き過ぎた報道を是正する力を有していないと思われるので、この先もコロナ禍は緊急事態宣言の解除に関係なく、収まらない可能性が高い。一旦、火が点いてしまった庶民のパニック心理は、感染状況の実体とは関係なく、そう簡単には収束しないのではないかと思われる。
 
 企業が「雇用調整助成金」をもらうために従業員を休業扱いにすると、当然、従業員に支払うお金は少なくて済む。しかし、当の従業員はそれで不満を感じているかというと、おそらく多くの人は今のままの方が楽だと感じているのではないかと思う。

■“フルタイムで10割の給料” vs “ハーフタイムで9割の給料”

 例えば、1ヵ月に20日間勤務の会社で、10日間を休業扱いにしている人がいた場合、10日間の給料は通常通り会社から支給されるが、残りの10日間は会社から給料は出ず、代わりに国から8割分の給料が支給されることになる。
 仮に、この会社の月給が20万円だった場合、10万円は会社から支払われ、8万円が国から支給されることになる。つまり、半分(5割)の労働時間で通常の9割分の給料が支払われることになる。

 会社から10万円 + 国から(10万円×80%=)8万円18万円

 どうしてもローンの支払い等で満額(この場合は20万円)必要というような人でもない限り、“フルタイムで10割の給料”と“ハーフタイムで9割の給料”を比較すれば、後者の方が良いという人がほとんどだろうと思う。
 倫理的に善いか悪いかはともかく、残念ながら、現制度は働かない方が得をするという制度になっていることは否定できない事実だ。

■「1日6万円のコロナ補償」は“売上”ではなく“利益”と比較するべき

 現在実施されている飲食店の夜間時短補償にしても、20時以降に営業しなければ、1日6万円が支給されることになっている。店舗の規模と従業員の人数にも依るが、数人程度の所帯であれば、6万円をもらった方が得だという店舗も結構あるのではないかと思われる。

 テレビのニュース番組で、「20時以降に10万円以上の売上があるのに、6万円では足りない」と言っている人がいたが、この意見は少しおかしい。

 国から支給される6万円を、店舗の売上と比較するのは間違っている。比較するべきは、売上から経費を除いた利益の方である。
 飲食業の利益率は比較的高いとも言われるが、実際は千差万別であり、牛丼チェーンのような店舗であれば、利益率はかなり低い。昔は利益率が数%と言われていた時もあった。

 多めに見積もって、仮に牛丼1杯500円で利益が100円だった場合、20時以降に牛丼600杯を売上げなければ利益は6万円に届かないということになる。20時以降に牛丼600杯も販売するほど繁盛しているような店舗があるだろうか? もし無いのであれば、国から6万円の補償金をもらった方が経営的には合理的ということになる。

■コロナ禍をハードランディングするべからず

 先述した企業と店舗の現状を観ると、コロナ禍による国の補償は、皮肉にも企業経営や店舗経営には欠かせないものになってしまっていると言うことができる。これらをいきなり打ち切って0にするとハードランディングして経営破綻する企業が数多く出てくると思われるので、さすがにできないだろうし、そのような梯子を外すような真似はするべきではない。政府は、いきなり0にするのではなく、段階的に支給額や支給率を引き下げていく手段を採ることが望まれる。

 現在、「コロナ特別雇用調整助成金」が8割支給なのであれば、6ヶ月単位か1年単位で7割、6割、5割、4割、3割…と引き下げていけば、どこかの時点(数年後)で、助成金をもらうよりも働いた方が良いという判断になると思われるので、被害を最小限に抑えてソフトランディングすることができる。

 政府からは「予算が無い」という言葉をよく耳にするが、その辺は全く問題ではない。
 国民に対して補助金や助成金を配ることを「お金を借りること」だと思っている人が大勢いるが、その発想は間違っている。正しくは「お金を増やしている」に過ぎない。

 国がお金を刷って配れば市場にお金が増える。そのお金は税収から得たお金ではないので、返さなければならないという理屈はどこかおかしい。
 お金の量が有限の金本位制であれば、借りたお金は返す必要があるが、お金の信用創造が罷り通っている現代の金融システム下では、税収に関係なくお金を増やすことができる。
 しかし、あまりにもお金を増やし過ぎることによる副作用は考慮しなければならない。現代の政治家が注意しなければならないことは、その副作用のみであり、税収の多寡ではない。

 コロナ禍をソフトランディングさせることができるか、それともハードランディングにしてしまうか。もし後者しか選択できないのであれば、それは人災であり、その政府は無能の誹りを免れない。

------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 23:12 | Comment(0) | 経済
2021年01月15日

KDDIの「povo(ポヴォ)」は紛らわしいのか?


■KDDIの新料金プランを批判する武田総務相

 KDDIが発表した月額2480円の大手キャリア最安料金プラン「povo(ポヴォ)」に対して、武田総務相は不快感を示したと伝えられている。

 武田総務相曰く、「非常に紛らわしい発表だった

 その具体的な理由は、auの出した料金プランには通話料が含まれておらず、他社における無料通話料金(500円)を含めると実質的には他社と変わらないということらしい。

 しかし、この言い分は少し違うのではないかと思う。

 5分間まで通話無料の他社のサービスというのは、電話を頻繁に使用する人、もっと詳細に言えば、有料通話を利用する人を対象としたものである。毎日電話するような人にとっては、月額500円で通話し放題というのは魅力的かもしれないが、ほとんど電話をしない人からすると、無料通話が500円でも高いということになってしまう。

■「民間の価格競争」と「官の価格統制」

 世の中にはスマホでは電話しないという人も大勢いるし、無料の通話アプリ(LINE電話等)や050のIP電話を双方で利用すれば無料で通話できるため、有料の通話サービスは、そもそも必要ないという人も大勢いる。

 そういった人々は、スマホの基本料金をなるべく低く抑えたいと思っているので、無料通話料金を省いた料金プランでも歓迎という場合が多いのではないだろうか。

 武田総務相にしてみれば、携帯4社ともに月額2980円で統一してくれた方が公平な競争になると思ってのことなのかもしれないが、他社に抜け駆けして利を取るのが民間の営利企業の基本的な経営スタイルでもあるので、それを「ズルい」と批判するのはお門違いではないかと思われる。

 そもそも、価格競争を無理強いしたのは武田総務相自身であって、4社揃って同じ料金を提示することを求めたわけでもない。もし、4社が同じ料金にしなければいけないと言うのであれば、それは民間の価格競争ではなく、官の価格統制になってしまう。それなら、初めから「4社ともに2980円にしなさい」と言っているのと同じことになってしまう。

■国民のウケが悪い「一律平等料金」

 「基本料金」と「通話料金」を分けることは、紛らわしいことではなく、むしろ、曖昧さを排した分かりやすい料金体系だと言える。この考えの根底には「従量制」というものがあり、サービスを利用した人だけが料金を請求されるという分かりやすい料金制度でもある。

 一方で、無料通話料金一律500円という制度は、サービスを利用した人も利用しない人も、同額の利用料金を請求されるという意味で、非常に紛らわしい料金制度だとも言える。

 そして、その料金体系は、NHKに通じるものがある。NHKの番組を観た人も観ない人も同じ料金を請求されるという意味で、「一律平等料金」というのは、国民のウケが悪い。

 NHKの番組を四六時中観ているような人にとっては、一律平等料金は安く感じられるのかもしれないが、NHKの番組を全く観ない人にとっては、一律平等料金は有り難迷惑な制度でしかない。

 仮にNHKが「基本料金」と「視聴料金」を分けた場合、次のような料金制度が考えられる。

 基本料金200円  視聴料金は従量制(0円〜1000円)

 こういう柔軟な料金コースの方が、一律平等料金よりも良いことは火を見るよりも明らかだと思う。
 同じ理屈で、スマホの「基本料金」と「通話料金」を分けることは、決して紛らわしいことではない。
 
------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 20:11 | Comment(3) | 経済