2021年09月03日

「紙の本」と「電子書籍」は、どちらがお得か?


■「電子書籍」が「紙の本」に絶対に勝てないこと

 随分と前から、「紙の本」と「電子書籍」は、どちらがお得か?という話をよく耳にする。

 こういった比較をしている人は、大抵、「電子書籍」の方がお得だという結論に傾いてしまうのだが、どうも「便利さ」と「お得さ」を混同しているような気がする。

 「電子書籍」は、場所を取らないこと、劣化しないこと、文字を拡大できること、テキスト検索ができる等の利便性を持った媒体ではあるが、あくまでもそれは「便利さ」という意味での話であり、「お得さ」が成立しているわけではない。

 こう言うと、「電子書籍は紙の本よりも安価でしょ」と思った人がいるかもしれない。

 しかし、それは新品(電子書籍は必ず新品)で本を購入した場合の一時的な比較でしかない。

 「電子書籍」が「紙の本」に絶対に勝てないことは、ズバリ、他人に売ることができないことである。
 「電子書籍」は基本的に“希少価値”とは無縁の代物であるので、「紙の本」のように価値が変動することもない。注文があればコピーはいくらでも可能なので、コストがかからない分、価格も変動しない。バーゲンセールで激安で販売することはできるが、決められた価格以上で販売されることは有り得ない。

■「電子書籍」と「紙の本」の違いは、「不動資産」と「流動資産」

 一方で、「紙の本」は、新品で購入した価格が「電子書籍」より少し高くても、読み終えて本棚にコレクションするつもりがない場合は、中古本として売ることができる。

 例えば、私の場合、最近は新品で本を購入し、読み終えると、大抵の本はメルカリに出品して売ることにしている。

 少し人気のある本なら、1500円(税込1650円)の単行本の場合、1200円以上で即日売れる場合が多いので、手数料1割と送料を差し引いても、900円程度は返金される計算になる。

 「電子書籍」が「紙の本」より少し安くても、読んだ後に売ることができない不動資産だと考えると、売ることができる「紙の本」よりも結果的に高くなってしまう。売ることができれば、「電子書籍」と「紙の本」の販売価格の差額は十分に埋まってしまうので、出版後すぐに新刊で購入するメリットは大きい。
 本を消耗品だと考えると、自由に売り買いできる「紙の本」の方が圧倒的に自由度が高いと言える。

 また、先程述べたように、「紙の本」は「電子書籍」とは違って物理的な制限があるため、希少価値というものが発生することがあり、買った値段以上で売れる場合も有る。そう考えると、「紙の本」を保有することは、少額ながらも資産を保有していることにもなるということ。

 「電子書籍」の場合、どれだけ多数の「電子書籍」を保有していたとしても、全く売ることができないという意味では、あくまでも個人のコレクションでしかなく「紙の本」のような売買可能な流動資産とは成り得ない。

 「電子書籍」は利益率が高いという意味で販売側に大きなメリットが有る媒体であり、「紙の本」はユーザー側にメリットが生まれる可能性を持った媒体だと言える。

 多くの人にとってお得なのはどちらか? 答えは言うまでもない。

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posted by 自由人 at 23:55 | Comment(0) | 経済
2021年08月28日

楽天モバイル「客寄せパンダプラン」の行方


■1ヶ月1GBで運用するのは至難の業

 携帯とスマホの2台持ちを止めて早2ヶ月が経過した。

 これまで、1日のデータ使用量が130MB程度だったものが、1ヶ月1GBに変更になったため、当初は、容量的に足りないかもしれないな…と思っていたものの、それでも結果的にデータ使用量が半分程度(500MB)で済んでいるので、個人的には特に問題は無さそうだ。

 1ヶ月1GB以内ということは、楽天モバイルに変更すれば月額料金が無料になってしまう。しかし、「只より高いものはない」という諺もあるように、流石に無料で利用するのは気が引けるので、このままにしておこうと思う。

 「1ヶ月1GB以内なら無料」というのは、完全な価格破壊であり、ある意味で「業界泣かせ」のプランだとも言える。1回線限定とはいえ、1個人は基本的に1回線しか契約しないので、こんなサービスが本当に続けていけるのだろうか?と少し心配にもなっていた。

 ただ、実際に1ヶ月1GB以内で運用してみて、ハッキリと分かったことは、自宅にWi-Fiが無い限り、まず不可能だということ。主に外出中にスマホを利用しているような人は、1ヶ月1GBで運用するのは至難の業だと思う。

 ニュースサイト等でテキストだけ閲覧するという目的だけでも、イメージ画像やら動画の宣伝広告などで容量を食ってしまい、あっという間に数十MBに達してしまう。況して、YouTube等で動画を観ようものなら、1ヶ月1GBで収めるのはまず不可能だと思う。

■「1ヶ月500MB以内は無料」とするのがベター

 私の場合、Wi-Fiが利用できない所では、スマホで動画は一切観ていない。テキスト主体でたまに使用するだけでも、1ヶ月300〜500MBに達してしまう。

 そう考えると、楽天モバイルの場合、余程のライトユーザーでない限り、1GBを超過し、気付かないうちにその上の料金コース(1〜3GBで980円)が適用されることになるのではないかと思う。
 その辺は、さすがによく考えられているなと思う。無料でスマホを使用できるプランというのは、あくまでも「客寄せパンダプラン」だと思った方がよいのかもしれない。

 理想としては、1ヶ月500MB以内は無料ということにして、1ヶ月1GB以内は490円という具合に細分化した方がよいのではないかと思う。

(現行の料金コース)
 1GBまで無料
 1GB〜3GBまで980円

(理想の料金コース)
 500MBまで無料
 500MB〜1GBまで490円
 1GB〜3GBまで980円

 大きなお世話かもしれないが、「ユーザー数を増やす」という目的に「サービスを継続する」という目的を追加するなら、この方が得策ではないかと思う。(1株主の意見として)

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posted by 自由人 at 16:42 | Comment(0) | 経済
2021年08月22日

リスク管理に無頓着な人の無謀な行為とは?


■下落し続ける2つの大型株

 ファーストリテイリング(9983)とソフトバンク(9984)の株価が下げ止まらない。

 ファーストリテイリング(9983)の株価チャート
 20210822-1.png
 
 ソフトバンク(9984)の株価チャート
 20210822-2.png
(Yahoo!ファイナンスより引用)

 ファーストリテイリングは直近の高値から35%下落し、ソフトバンクは42%下落している。両社共に日経平均株価に大きな影響を与える株でもあるので、日経平均株価も直近の高値から12%程度下落しており上値が重くなっている。

 ファーストリテイリング株が下落した大きな理由はウイグル問題が背景にあり、ソフトバンク株が下落した理由は国際的な投資問題もさることながら、自社株買いが無くなったことが大きく関係しているものと思われる。

 ちなみに私個人は、どちらの株式もノーポジ。と言うか、ファーストリテイリング株は買ったことがない。と言うよりも、高過ぎて買えない。株価が安い時にも買わなかったので、元々、あまり興味を抱かなかった企業とも言えるが、個人的にナンピンできない(買い下がれない)株には手を出さない主義なので、現状は買えない。ファーストリテイリング株を買い下がるとなると数千万円は必要となってくるので、最低でも即金で家を購入できるぐらいの余剰資金が必要になってしまう。

■株を買うよりもリスクが高くて恐いこと

 ソフトバンク株はこれまでに何度か売買したことがあるものの、現状は、リスクが高過ぎて手が出せない。デイトレやスイングトレードならまだしも、中長期の投資はリスクが高過ぎると思う。

 何年か前に村上世彰氏が『生涯投資家』という書籍の中で「ソフトバンク株には200万円の価値がある」と書かれていた。
 当時の分割前のソフトバンク株は100万円以下だったので、2倍以上の価値があると言っていたことになるが、2分割した株が100万円に達したので、村上氏が言っていた通り、200万円に達したことになる。ただ、これも自社株買いの影響が大きいと思われるので、予想通りになったというのはちと無理があるかなと思う。

 さて、私は先程、「買い下がれない株は買わない」と書いた。その理由も先程書いた通り、リスクが高過ぎるから。

 多くの株式投資未経験者にも、この理屈は理解していただけるのではないかと思う。将来的に不透明なものには極力慎重な姿勢で臨むこと。これは万古不変のリスク管理でもある。

 多くの株式投資未経験者は、「株を買うのはリスクが有るので恐い」と言う。しかし、株式投資経験者から観ると、株を買うよりもリスクが高くて恐いことを堂々と行っている。

 それは無論、35年もローンを組んでマイホームを購入することである。

■ローンを組んだマイホーム購入は「信用買い」

 コロナ禍になって、高額かつ長期的なローンを組むことは途方も無くリスクが高いことに気が付いた人も大勢いると思われるが、数千万円も借金して家を買うという行為は、喩えて言うなら、ファーストリテイリング株を最高値で買うよりも勇気がいる行為だと思う。

 1100万円でファーストリテイリング株を高値掴みした人もいると思うが、35年もあれば、高値を超えてくる可能性は充分にあると思う。6ヶ月間しか期限のない信用買いなら話は別だが、現物で買っている限りは、いずれ元に戻るかもしれない。

 では、マイホームの場合はどうだろうか?

 ローンを組んでマイホームを購入するという行為は、株で言うところの「現物買い」と「信用買い」のどちらに該当するだろうか?

 答えはもちろん、「信用買い」である。「信用買い」で数千万円のマイホーム株を買ったと考えると、そのリスクの高さがどれほどのものか想像が付くと思う。ちなみに、マイホームの場合は、買い下がるという行為もできない。

 「株」と「マイホーム」は利用用途も利用価値も違うとはいえ、購入時にリスクを背負うという意味では何ら変わるものではない。家のローンが支払えなくなると、株と同様、損切りを余儀無くされる。

 現物買いの「株」は恐くて買えないのに、信用買いの「マイホーム」は堂々と買ってしまうという矛盾した行為は、リスク管理を徹底している人間から観ると、あまりにも無謀な行為に映ってしまう。

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posted by 自由人 at 12:35 | Comment(0) | 経済
2021年08月17日

DaiGo氏、大炎上問題の本質とは?


■「生活保護」の原資とは?

 メンタリストのDaiGo氏が生活保護を受けている人に対して以下のような発言をしたとのことで大炎上した。

 「生活保護の人が生きていても僕は別に得しない

 DaiGo氏が思わず語った本音(失言?)が原因だとはいえ、これだけ大炎上してしまうと、DaiGo氏のメンタルの方が心配になる。本人が謝罪されているのだから、いつまでも執拗に責め立てる必要もないと思われるので、今回は少し違った角度からDaiGo氏の擁護(?)を試みたいと思う。

 今回、DaiGo氏が炎上した原因は「生活保護」に対するDaiGo氏の「無知」が原因だとする意見があるようだ。しかし、もっと根本的な、もう1つの大きな別の「無知」には気付いていない人が多いようだ。

 それは何か?

 先に結論を述べると、生活保護の原資は必ずしも税金ではないということ。

 おそらく、DaiGo氏に限った話ではないが、一般人よりも多くの税金を納めているような人は、自分が働いて納めた税金が、赤の他人に使用されているのは不公平だという感情を抱いているのではないかと思う。
 汗水たらして知恵を絞って稼いだお金をごっそりと税金として召し上げられ、働いていない人の生活費に回っているというやるせない心情が、今回のような言葉が口から出てしまった原因なのだろうと思われる。

 しかしながら、先に述べたように、「生活保護」の原資は必ずしも「税金」ではない。

■現代貨幣に対する誤解から生まれた悲劇

 もし、「生活保護」の原資が税金なのであれば、税収が下がれば「生活保護費」も下がることになるはずだが、そうはなっていない。税収の増減に関係なく、「生活保護費」は一定のままだ。
 それはつまり、税金以外の原資が使用されているということでもある。税収だけでカバーできないものは、赤字国債を刷って賄うこともできる。

 「赤字国債を刷るということは将来世代の税金ではないか?」という疑問を抱いた人がいるかもしれないが、必ずしもそうとは言えないことは、現代貨幣理論を少しでも齧ったことのある人なら理解できると思う。

 国がお金を発行すれば、税収に関係なく「生活保護費」などはいくらでも配ることができる。しかし、それが行き過ぎると誰も働かなくなってしまうので、限界はある。なぜなら、「生活保護費」を配り過ぎて誰も働かなくなってしまうと生産物が減少し物価が必要以上に騰がってしまう(=インフレになる)から。

 では、なぜ、高収入の人は税金を多く支払わなければいけないのか?

 その理由は、政府が、国民の不平等感を無くすために共産主義的な「累進課税制度」を採用しているから。

 つまり、「生活保護」とは全く関係がない。不公平感をぶつけるのであれば、その対象は「生活保護制度」ではなく「累進課税制度」でなければいけない。

 今回のDaiGo氏問題が起こった背景には、確かに無知というものがあったかもしれない。しかしそれは、「生活保護」に対する無知というよりも、「生活保護費」の原資に対する無知であり、現代貨幣に対する誤解である。

 「生活保護」の原資が「100%税金」という誤解から生まれた悲劇だったと考えるのが、この問題の本質であり、そう考えることで、有効な解決策が導き出せると思う。

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posted by 自由人 at 21:53 | Comment(0) | 経済
2021年06月19日

格安スマホ業界にまで波及した価格破壊


■スマホと携帯の2台持ちを卒業

 政府主導のスマホ料金の価格競争の影響もあってか、今年の4月から格安スマホの料金体系も大幅にリニューアルされたので、この機会に、スマホと携帯の2台持ちを卒業して、長年(20年以上)使用してきた携帯電話を解約する運びとなった。

 これまでは、携帯(090)とIP電話(050)とデータ通信で毎月3000円以上支払っていたものが、来月からは毎月770円(税込)ということになるので、いきなり月額料金が4分の1に下がることになる。(有料電話を使用しなければの話)

 テレビで宣伝している「ahamo」や「povo」は毎月20GBの料金プランだが、私の場合、現状、スマホで動画は観ないし、外出先ではほとんど使用せず、自宅のWi-Fiで使用する程度なので、取り敢えず、最低容量の毎月1GBプランで再契約した。もし、1GBで足りないようなら、3GBに増量しても毎月1000円以下なので、この辺が最適な切り換え時だったのかなと思う。ただ、携帯を解約するのは一抹の寂しさと言い様のない虚しさも感じた。

■容量1GBで観れる動画は2時間

 IP電話も当初は便利かなと思って契約したものの、数年間ほとんど利用しなかった。家族や友人との電話はLINE電話を使用すれば事足りてしまう。LINE電話を使用すれば、IP電話を使用する必要が無くなり、IP電話による飲食店の無料予約も昨今のコロナ禍の影響で無意味化してしまったため、解約することになった。

 ちなみに、容量1GBで観れる動画(YouTube)は大体2時間程度ということらしいので、1GBコースでYouTubeを観るとなると、1日4分間しか観れないことになる。

 私の場合、テレビを全くと言っていいほど観なくなった代わりにYouTubeは結構観ている。チャンネル登録しているYouTubeチャンネルが50チャンネル以上あるので、毎日、2時間程度(全て2倍速で視聴)は観ているかもしれない。
 これを全てスマホで観るとなると最低でも30GBは必要ということになってしまう。私が契約している格安スマホでは毎月30GBコースがMAXとなっているが、その場合は毎月6000円程度必要となるので、あまり現実的とは言えない。自宅にパソコンもタブレットもWi-Fiも無いという人なら、スマホオンリーでも元は取れるのかもしれないが。

■過剰なまでの価格競争が招いた「自虐経済」

 政府主導のスマホ料金の価格競争は、幸か不幸か、格安スマホ業界にも波及した。携帯電話が登場した頃、毎月3000円以上の基本料を「高い」と思う人も文句を言う人もほとんどいなかった。当時では、“電話を持ち歩ける”という便利さだけで多くの人の財布の紐が緩んだ。

 それから20数年、電話を持ち歩けることは当たり前、無料の電話もメールも当たり前、動画も観れる小型パソコンと化したスマホが毎月1000円以下で利用できるようになった。

 もし、過剰なまでの価格競争というものが無ければ、現在でも毎月1万円を支払ってスマホを使い続ける人は大勢いたことだろう。性能や利便性は格段に進歩しても、価格は下がり続けるという矛盾。その矛盾はちょうど、年々、能力が向上しているにも拘らず給料が上がらない(むしろ下がっていく)サラリーマンの姿を彷彿とさせるものがある。

 そういった矛盾に疑問を感じなくなった社会。経済の専門用語で言えば、「合成の誤謬」が齎す「自虐経済」、我々はいつからこんな社会を良しとするようになってしまったのだろうか?

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posted by 自由人 at 00:01 | Comment(2) | 経済
2021年04月30日

無礼な「ハンバーガー会談」と「MMT」を理解していない米民主党


■失礼極まりない「ハンバーガー会談」

 米民主党のバイデン氏は、2兆ドル(約220兆円)の経済政策を発表したが、その原資は「富裕層への増税」と「法人税の増税」で賄うとしており、これが本当に実施されると米国経済が悪化するのではないかという懸念が囁かれている。

 それに加えて、「最低賃金を大幅に上げる」とも述べており、まるで同じ政策で失敗した韓国の文在寅大統領を彷彿とさせるものがある。

 先日、行われた日米首脳会談は「ハンバーガー会談」とも揶揄されたが、あのような席上で皿に盛られたハンバーカー1つというのは、まるで飼い犬に餌を与えているかのようなイメージが想起され、日本人にとっても、また、菅総理に対しても実に失礼な態度に映った。

 米民主党にとっては、「占領国の日本の総理大臣などはハンバーガー1つで十分だ」と思っているのだろうか。仮にそう思っていなくても、そう受け取られても仕方がないような絵面だった。

■「MMT」を理解していなかったフシのある米民主党員達

 しかし、米民主党は「MMT」に理解がある政党ということになっていたはずだが、今回の政策を見る限りでは、「MMT」など全く理解していなかったのではないか?という疑問を感じてしまう。

 元々、極左の社会主義者と言われるアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏が「MMT」を言い出したことも疑問だったが、どうやら彼らは「MMT」を単なるバラマキ肯定論だと誤解していたフシがある。

 オカシオ=コルテス氏は「国家にとって財政赤字は問題ではない」と言ったとされるが、それはある一定のインフレ率になるまでの話であって、際限のない赤字が許されるという意味ではない。その条件を外してしまえば、それは「MMT」ではなくなってしまう。
 そして、大幅な増税などというのは、激しいインフレになった場合の処方箋であって、景気対策と称して財政政策と同時に行うべきものではない。

 そもそもアメリカは日本のような深刻なデフレ国家ではなく、コロナ禍以前は経済が順調に成長していた国である。
 日本以上にコロナ禍が酷いという意味では、巨額の財政政策は必要だろうけれど、原資を増税で賄うというのは悪手以外のなにものでもない。

 「MMT」の要諦は、需要が大幅に足りない場合は、国民の負担となる増税に頼らずにお金を刷っても問題は発生しない(=激しいインフレにはならない)という理論であるので、彼らが本当に「MMT」を理解しているのかは疑わしい。



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posted by 自由人 at 23:48 | Comment(0) | 経済
2021年04月18日

転んでもただでは起きない「ahamo」


■「月額料金」以上の「サポート料金」

 ドコモの新スマホ料金プラン「ahamo」のテレビCMが流れ出し、先月(3月)からサービスが開始されたばかりだが、4月になって早々に店頭でのサポート料金追加の発表があった。

 私が以前に書いたブログ記事の予想通りの展開だが、1回のサポート料金は3300円(税込)であるらしく、4月22日からスタートするらしい。
 「スマホ使用料が安くなった」と喜んでいたような人にとっては梯子を外されたような気分かもしれない。

 オンラインのみでのサービス提供は、ある程度のITリテラシーが無いと、自己責任(事故責任)でメンテを行うのは少々難が有るので、この展開は多くの人が予想していたのではないかと思う。

 1回のサポート料金が、スマホの月額使用料よりも高いというのは御愛嬌だが、スマホ料金の大幅値引きという苦渋の選択を余儀無くされた政府に対するささやかな抵抗なのかもしれない。

 このサポート料金というのも、今後は他の大手キャリア(KDDI、ソフトバンク、楽天)も追随していくことになるのだろうと思われる。そしてこちらも政府の指導が有るかどうかに関係なく価格競争が始まり、3000円(税込)→2500円(税込)→2000円(税込)と、サービス料金が下がっていくのかもしれない。
 予め、料金が下がっていくことを見越した上での料金設定ということであれば、月額使用料以上に設定することは当然とも言えるだろうか。

■「20GBプラン」だけが話題になる不思議

 しかし、いつも不思議に思うのは、話題になっているのは全て「20GBプラン」だということ。テレビCMだけを観ていると「20GBプラン」が最安値という印象を抱いてしまいがちだが、ドコモを例にとっても、「1GBプラン」というものもあり、条件次第では「ahamo」よりも安い料金設定になっている。

 外出先で動画を頻繁に観るというならともかく、自宅のWifiでスマホを利用している分には、1ヶ月20GBも必要ないような気もする。私自身もスマホはほとんど自宅でしか使用しないので、1ヶ月1GBコースでも十分かな…と思う。

 多分、ITリテラシーの低い人というのは「1GB」というデータ容量がどれ位のものかということがピンとこないのではないかと思う。
 私の場合、インターネット以前からパソコン通信(従量制料金)をやっていたので、データの容量には敏感にならざるを得なかった経験があるため、1KB、1MB、1GBがどの程度のものかというのが肌感覚で分かってしまうが、ブロードバンド化した後にインターネットを始めたような人は、メールの添付ファイルのデータ容量など考えたこともないというような人も多いのかもしれない。

■スマホ料金の節約には「自助論」が必要

 これまで、少しスマホの調子が悪くなりトラブルが発生する度に、サブスクサービスを利用するかの如く携帯ショップに訪れていたような人は、今後、毎月1回、サポートを受けるだけで月額使用料が2倍以上になってしまい、場合によっては以前に支払っていた料金以上になってしまうことも有り得る。

 毎月のスマホ使用料を支払った上にサポート料金まで支払いたくないと思う人は、少なくとも自分自身が1日でどれ位のデータ量を使用するのかくらいは認識しておく必要があると思う。

 それ以前に、なんでもかんでも他人任せの姿勢を改めて、自分自身で行うことを是としなければ、本当のスマホ節約はできないと思う。

 政府のスマホ料金の値下げ指導は、消費者に「自助」の精神を促すという意図していなかった結果を齎すことになるかもしれない。

 「天は自ら助くる者を助く」と同様、「スマホ料金も自ら助くる者を助く」となる。



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posted by 自由人 at 08:42 | Comment(0) | 経済
2021年04月03日

日本経済全体にマイナスな「総額表示」


■商品価格の「総額表示」という善意の施策

 この4月1日から、商品価格の「総額表示」(税込表示)が義務付けられたため、店頭に並んでいる商品が一気に値上がりしてしまったかのような印象を受ける。これが消費者に与える影響は甚大で、一部、買い控えを招く可能性も否定できないため、ユニクロやジーユーは消費税分を値下げするという大きな賭けに出た。

 これまで「1990円」「2990円」「3990円」「4990円」…という具合に、ギリギリ大台前の価格設定にすることで、消費者に「安い」という印象を持ってもらうことに注力してきたショップが、いきなり税込表示を義務付けられると、これまでのイメージ戦略が台無しになってしまう。そういう意味で今回の法改正は販売者泣かせの政策だとも言えるが、消費者の買い控えを招くという意味では、日本経済全体にとってもマイナスの影響を与えかねない政策とも言える。

 「総額表示」は消費者にとって便利だと思えても、その善意の施策が、販売者だけでなく消費者にも実害を与えかねない。言わば、これも「地獄への道は善意で舗装されている」に成りかねないとも言える。

■商品値下げと円安のダブル効果で株価が下落

 しかし、なぜ今頃、このような法改正が行われたのだろうか?

 表向きは「税抜表示は消費者に紛らわしい印象を与えるので税込表示に変更した」ということになっているが、噂では、「消費増税のマイナスイメージを避けるため」というようなことも囁かれている。
 要するに、商品価格とは別に消費税がどれだけ上乗せされているかを消費者に考えさせないためということらしい。あくまでも噂話なので真偽のほどは分からないが、今後の消費増税の伏線なのだとすれば、「やれやれ…」と言いたくもなる。

 ユニクロはいきなり9%も値引きすることになったため、当然、売上もその分だけ下がることになる。おまけに、悪いことは重なるもので、現在は円安に振れている。この3ヶ月間で8円も円安に振れてしまったため、さらに悪影響を被ることになる。

 ユニクロを運営するファーストリテイリング(9983)の株価は、3月2日には110,500円の最高値を付けた後、徐々に下がり始め、3月25日には82,570円まで下落した。元々、騰がり過ぎていたとはいえ、わずか1ヶ月足らずで25%も下がったことになる。

 ファーストリテイリングの株は分割でもしてくれない限り高過ぎて買えないが、今後、更に円安が進むと、更なる株価下落も有り得る。

 商品価格が9%ダウンし、円安でも9%ダウンと考えると、計18%程度の下落は織り込み済みといったところだろうか。
 110,500円×82%=90,610円ということになるので、現在の株価(90,470円)は妥当なところなのかもしれない。

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posted by 自由人 at 09:48 | Comment(1) | 経済
2021年03月20日

ブックオフの「株主優待券」が無くならない理由


■ブックオフの「株主優待券」制度

 最近の株式市場は、実際の景気とは裏腹に活況を呈しているせいか、多くの人々が株式市場に新規参入していると伝えられている。今年は3月29日に「株主権利確定日」を迎えるため、初めての配当金狙いや株主優待狙いの買いも、いつも以上に入ってきているようだ。

 1日の株価の値動きが配当金以上になる株式を、わざわざ「株主権利確定日」まで我慢して持っていられるような腰の座った個人株主がどれだけいるのかは定かではないが、世の中には「配当金」だけでなく「株主優待券」をゲットすることを生き甲斐にしているような人もいる。

 企業が赤字になっても配当金が必ずしも支払われなくなるわけではないが、決算内容によっては配当金は増減する。

 では、「株主優待券」はどうだろうか?

 例えば、私の場合、ブックオフの株主なので、毎年、優待券(お買物券)が送られてくる。いつの間にか株主優待券の確定日が3月末ではなく5月末に変更されたみたいだが、株主優待制度としては以下のようになっている。

BOOKOFFyuutai.png

【参照サイト】BOOKOFF株主・投資家情報
 
■「株主優待券」を配って得する理由(わけ)

 私は複数株保有しているが、1株主の場合は、2000円分のお買物券が送られてくる。
 企業経営が悪化すると、配当金が減少したり、無くなったりすることがあるが、ブックオフの場合も配当金は減少しているが、優待券が無くなったことは無い。

 経営状況があまり芳しくない企業が優待券を出し続けるのは会社にとって負担になるのでは?と思う人がいるかもしれないが、優待券は額面通りの現金を配っているわけではないので、多分、どれだけ経営が悪化したとしても無くなることはないと思う。そういう意味では、株主にとっては絶対的に保証された配当金とも言える。

 その他の企業と同様に、お買物券の本質は“原価で商品が買える”という代物だと言える。ブックオフの場合、「販売されている商品価格ではなく、仕入れた原価でお買い物ができますよ」と考えると解りやすい。

 例えば、200円で販売されている本を仕入れた金額が10円の場合、お買い物券を持った株主に対しては仕入れ値の10円で本を販売しているというイメージになる。ゆえに、実質的に2000円のマイナスになるわけではなく、100円程度のマイナスで済む計算になる。(あくまでも、このケースの場合)

 それに、お買い物券をもらった限りは、必ず全て使用することになるので、売れ残った本を売るチャンスでもあり、10円で仕入れた本が200円で売れれば、190円のプラスになる。

 「仕入れ値の合計金額」と「優待券販売による利益」を比較すると、新刊ばかり買う人でない限り、大抵は後者の方が高くなるので、結局、優待券を配った方がプラスになる可能性の方が高くなる。だから、仮に赤字経営になっても優待券は無くならない。

(追記)一部、記事中に誤解がありましたので、訂正しました。

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posted by 自由人 at 10:29 | Comment(2) | 経済
2021年02月19日

「失われた30年デフレ」に終止符を打つ奇策


■雇用調整助成金のリハビリ期間は長期で考えるべき

 政府はコロナ特別雇用調整助成金を4月まで続けることを発表していたが、5月から6月にかけて特例措置を段階的に縮小していき、7月からは更に縮小すると発表している。

 段階的に支給率を引き下げていくことには賛成するが、その期間があまりにも短過ぎるのではないかと思える。
 足掛け1年以上もの間、雇用調整助成金に頼ってきた多くの企業が、元の状態に戻るためには、それなりのリハビリ期間が必要であり、その期間は数ヶ月間という短い期間ではなく、できれば数年間単位にすることが望ましい。

 これだけ激変してしまった企業を取り巻く経済状況を、たった数ヶ月間で1年前のコロナ発生前に戻すようなことは至難の業であり、あまりにも現実味に欠けた発想だと言える。この辺にも、現政府の経済センスの無さが垣間見える。
 ここで言う「経済センスの無さ」とは、一言で言えば、「世情に疎い」ことを意味する。

 ここで、「国は数年間も補助金を出す余裕が無い」と思った人がいるかもしれないが、補助金は税収で賄うわけではないので心配する必要は無い。

 こう言うと、「将来世代に借金を背負わすことになる」と思った人もいるかもしれないが、それも誤解であり、子孫が借金を背負う必要など無い。

 さらに、「現役世代で賄うなら消費税を上げなければいけなくなる」と思った人もいるかもしれないが、そんな必要は微塵も無い。

■1年間で100兆円ずつ、1000兆円の国富増加策

 政府が、いきなり1000兆円も大盤振る舞いして財政出動するとインフレになる危険性があるが、1年間で100兆円ずつを10年間続ける程度なら、おそらくインフレにはならない。
 仮にインフレになったとしても、せいぜい1%や2%程度だろうから、全く問題がない。
 それでも、政府が長年目標にしてきたインフレ率2%に達するだけのことなので、むしろ喜ぶべきことだとも言える。

 万が一、インフレ率が3%以上になった場合は、MMTの言う通り、増税すればいいだけ。増税とはインフレを退治するための経済政策である。

 よく「インフレになった場合、政府は簡単に増税できるのか?」というトンチンカンな発言をしている人がいるが、デフレ下で掟破りの増税を行う政府が、なぜインフレ下で増税できないと思えるのか理解に苦しむ。

 特に日本の場合、これまで緊縮財政まっしぐらでお金が足りない状態が続き、あっぷあっぷしながらやってきたため、マイナスの貯金が貯まっているような状態だとも言えるので、他国以上にお金を増やす余地が有る。10年間で1000兆円の国富を増やして挽回し、景気を良くするチャンスだとも言える。

 こう言うと、「政府は金融緩和をし続けてきたが景気は良くならなかったのでは?」と思った人がいるかもしれないが、それには理由がある。

 そのお金の大部分は市場に出ておらず、日本銀行内にブタ積みされているだけなので、ほとんど意味を為していない。金融政策だけで景気が良くなるというリフレ派の間違いは、この部分を理解していないことにある。
 リフレ派は名誉挽回するためにも、この機会にこっそりと金融政策から財政政策に舵を切り替えるべきだと思う。

 景気を良くするチャンスが目の前にあるというのに、そのチャンスに気付かず、実行することもできず、無為無策を決め込み、その上、更に無意味な増税を行うというのであれば、あまりに愚かであり度し難い。

 経済センスの有る政治家であれば、このコロナ禍を逆手に取って、30年デフレに終止符を打つことができるかもしれない。

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posted by 自由人 at 23:50 | Comment(0) | 経済