2020年06月20日

新型コロナウイルスが齎す「働き方改革」


■「特別雇用調整助成金制度」の延長が齎すもの

 日本では6月に新型コロナウイルス(第1波)がほぼ終息したものの、多くの企業がコロナ禍による「特別雇用調整助成金制度」を利用しており、6月一杯は半休業状態である企業が多い。そのせいもあるのか、人が動いていない分、全体的な仕事量は減少しており、通常の勤務体制では時間を持て余す企業が多くなっている。おそらく一般的な企業では、仕事量が2割〜4割は減少しているものと思われる。これまで残業続きだったような人は定時帰りとなり、これまで定時帰りだったような人は、半分遊んでいるような状態かもしれない。

 この遊休状態を抜け出すためには、仕事を発注する大元の企業が率先して半休業状態を脱皮していく必要があると思われるのだが、周知の通り、政府は、6月30日までの予定だった「特別雇用調整助成金制度」を、9月30日まで延長した。

 現状、中小企業や下請け企業のセーフティネットとして、制度の延長はやむを得ないとしても、大企業や景気の良い企業まで同じように、この制度を利用し続けると、下請け企業や景気の悪い企業も同じように、いつまでも休業状態を維持しなければいけなくなる。

 もしこのまま日本の多くの企業が9月一杯まで「特別雇用調整助成金制度」を利用し続けるとなると、それが終了した10月頃には、少し気候も涼しくなってインフルエンザの流行と重なるように新型コロナウイルスの第2波が来るかもしれない。そうなると、政府はまた12月一杯まで延長し、12月になってもコロナが収まらないようだと、また3月まで延長と、延々とこの繰り返しになる可能性がある。

■新型コロナウイルスによる「働き方改革」の是非

 このままいくと、そうなる可能性は否定できないと思われるが、政府もいつまでも延々と補助金を出し続けるわけにもいかない。ある程度までは増税せずとも可能だろうけれど、許容範囲を超えてくると日本の官僚が大増税を言い出す可能性もある。

 そうならないためにも、「特別雇用調整助成金制度」を利用しつつも、徐々に経済活動を元に戻していく必要がある。今年中には、コロナ感染リスクを受け入れ、元通りの生活に少しでも近づけるようにしていく必要がある。

 もし、それができないということなら、経済縮小を受け入れざるを得ず、企業の勤務体系そのものを抜本的に見直す必要に迫られることになるだろう。1日5時間労働週休3日制、こういった企業が多くなると思われる。と言うよりも、そうするしか方法がなくなるだろう。物理的に仕事の総量が減少することによるワークシェアリングが不可避になれば、当然、収入も減少することになる。

 これまで馬鹿高い給料を維持するために、下請け企業のコストダウンで帳尻を合わすことしか考えてこなかったような企業は、自社の痛みを伴う改革を余儀無くされることになるだろう。コストダウンするべき下請け企業が無くなれば、当然そうなる。それは、結局のところ、同一労働同一賃金の導入を余儀無くされることを意味する。

 政府の「働き方改革」では実現不可能だった「同一労働同一賃金」が、新型コロナウイルスによって成就される可能性が有るとは、なんとも皮肉な話だが、このままコロナ感染リスクをいつまでも受け入れることができなければ、これまでの歪んだ日本の労働スタイルが音を立てて一気に崩れ落ちる可能性がある。

 新型コロナウイルスによる「働き方改革」、それは、ひょっとすると、良いことであるのかもしれない。


------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 06:56 | Comment(0) | 経済
2020年05月23日

「ベーシックインカム幻想」を味わった会社員達


■半休業状態を続ける企業

 新型コロナウイルスの感染者数が大都市圏(東京・大阪)で1桁となり、日本に限って言えば、梅雨を前にして第1波は終息(収束)しそうな雲行きとなってきた。

 新型コロナウイルスの重篤患者はビタミンDの値が少なかったというような報告も出ているので、ビタミンDを作る日光(紫外線)が強くなってきたことにも少なからず原因があるのかもしれない。新型コロナウイルスは湿度にも弱いと伝えられているので、高温多湿の日本ではその点もプラスに働いたのかもしれない。

 関東の1都3県と北海道を除く42府県では「緊急事態宣言」も解除され、街中にも少しだけ人が戻ったそうだが、未だ自粛中であることには変わりなく、時短措置や休業措置を採っている企業も多い。現状、「雇用調整助成金」の特例措置が6月一杯までは継続されることになっているので、1ヶ月間の労働時間が通常の半分程度になっている企業も多い。6月中にどれだけ仕事量が元に戻るか様子を見ながら、このまま半休業状態を6月一杯まで続けるのだろうと思われる。

■毎日の決まった日常に疑問を抱くに至った人々

 多くの会社員は、この1、2ヶ月の間にこれまでの自らの労働観に疑問を抱かざるを得ない状態に置かれたのではないかと思う。毎日、毎日、決まった時間に起床し、満員電車に揺られて出社し、決まった時間まで働き、場合によっては残業して夜遅くに帰宅する。そういう自分では変えようにも変えることができなかった当然の日常ルーチンが、新型コロナウイルスによってアッサリと変えられてしまった。

 朝起きる時間が遅くなり、出社する時間も変化し、帰宅する時間も早くなった。おまけに休日日数も増えたという人も多い。会社自体が10日間休業とか半月休業となり、休んだ日の給料の8割(5分の4)を国が負担してくれる(大企業の場合は3分の2)。
 5日間休んでも4日間は国が代わりに給料を支払ってくれるという特例措置を利用することで、多くの会社員はこう思ったかもしれない。

 「仕事ってなんだったのだろうか?

 ある意味、夢から覚めたようなもので、毎日の決まった日常に疑問を抱くに至った人は案外多いのではないかと思う。
 この感覚は、ベーシックインカムが一時的に導入された感覚を擬似的に味わったようなものかもしれない。本来、自分自身が働くことによってしか得られなかった収入の一部を国が代わりに支払ってくれているわけだから、まさにベーシックインカムそのものとも言える。

 「AI時代にはベーシックインカムが必要」という声は多いが、この短期間の間に全国の会社員が味わったもの、その不思議な感覚は「ベーシックインカム幻想」だったと言えるのかもしれない。


------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 18:11 | Comment(0) | 経済
2020年04月26日

新型コロナウイルスの常識破壊【8時間労働編】


■2週間のゴールデンウィークが明けると…

 現在は「緊急事態宣言」真っただ中ということもあり、休業や時短、テレワーク等を取り入れている企業が多いせいか、社会全体としての仕事量が激減している。人もお金もまともに動いていないわけだから、これは当然の結果なのだが、それでも多くの企業では今まで通りの勤務を続けている。通常時の仕事量が確保できずに手が空いているにも拘らず、相も変わらず、8時間勤務を踏襲している。

 企業にしてみれば、現在の状態は一時的なものであり、手持ち無沙汰な状況は今だけであり、緊急事態宣言が解除され、コロナが終息していけば元通りになるというような甘い見通しを抱いているのかもしれない。

 今年のゴールデンウィークは、既に始まっている企業もあり、4月25日から2週間の連休という企業も結構あるらしい。そう考えると今週は出勤にしている企業でも仕事はほとんど無い状態だろうと思う。
 この長い2週間のゴールデンウィークが明ければ、目出たく緊急事態宣言が解除されて仕事量も元通り、そんな甘い考えを本気で抱いているのだとすれば、あまりにもオメデタイと言うしかない。

 リスクや批判を何よりも恐れる政府は、多少、感染者が減少したとしても1度出された緊急事態宣言を簡単には解除しないと思う。民間企業側から「緊急事態宣言を解除しろ」という声が大きくならない限り、この状況は変わらないだろう。
 当然、ゴールデンウィークが明けても現在の手持ち無沙汰な仕事状況は維持される…と言うよりも、ますます仕事量が減少するものと思われる。

 そんな状態でも、企業経営者はこれまでと同じように従業員に8時間勤務を強いるのだろうか? どうせ同じ給料(月給)を支払うのだから、仕事が無くて暇でも会社に居てもらおうと考えるのだろうか?

■「8時間労働教」の終焉

 おそらく、現在のコロナパニック(注:コロナウイルスのことではない)を人為的に抑えようとしない限り、そのような旧い考え方は、根本的に改めなければ、この先、多くの企業は生き残っていけないのではないかと思われる。
 月給制というものは基本的に仕事が有るという前提で作られた制度であるので、今後は、仕事量に見合った給料体系に変えていかなければ企業経営が成り立たなくなるのではないかと思う。

 時給制で働いている人は、休業になれば給料が出ない、時短になれば給料も減少する。そのことが正社員に比べると不公平だと言われ続けてきたが、一向にその歪な正社員制度は改められなかった。
 これまでは「全ての人を正規社員に」という声も聞かれた。しかし今後は、「全ての人を非正規社員に」という声が大きくなってくるかもしれない。

 仕事量に見合った給料制度でなければ生き残っていけないという認識を多くの企業が持つに至ると、どうしても正社員の月給制にメスを入れざるを得なくなる。
 これはある意味、病気と同じようなものであり、手術をしないと死亡するということが判れば、その原因を取り除くために無情にもメスは使用されることになる。

 そうなると、当然の如く、100年間以上も続いてきた「8時間労働」という常識も崩れる可能性が高くなる。これまで仕事の有無や多寡に関係なく維持され続けてきた「8時間労働」が遂に過去のものになる可能性が出てきた。

 「8時間労働教」という100年前に誕生した旧い宗教に縛られ、本来、得られるべき自由な時間を無駄にしてきた労働者にとっては、この現象はむしろ喜ぶべきことなのかもしれない。
【関連記事】
「8時間労働教」という宗教
100周年を迎える「1日8時間労働」

 最後に、ここで述べた「喜ぶべきこと」というのは、「8時間」に縛られることが無くなるという意味であり、必ずしも労働時間が8時間以下になるという意味ではありません。
------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 13:14 | Comment(0) | 経済
2020年04月20日

「一律給付金10万円は血税」という純粋な勘違い


■「税金」と「赤字国債」の混同

 国が国民に対して一律10万円を支給することになり、いろんな方面から賞賛の声があがっている。
 しかしながら、その喜びの理由は様々であるらしく、本当に困っている人が助かるという意味で素直に喜んでいる人もいれば、特に困っていない人が10万円貰えてラッキーという人もいる。そして、単に国からお金をむしり取れたことを喜んでいるように見える人もいる。

 まるで、ねずみ小僧が悪代官から小判をかっぱらって、その小判を少しずつ均等に貧乏長屋の人々に配っていくかのようなヒロイックファンタジーに酔っているような意見もチラホラと見え隠れしているようだ。

 今回の一律給付金を税金で賄っていると思っている人もいるようだが、それは大きな誤解であり、純粋過ぎる勘違いでもある。

 政府も発表している通り、一律給付金の原資は「税金」ではなく「赤字国債」ということになっている。国民が支払った税金で賄っているのであれば、「赤字」という文字は付かない。税金で賄い切れないからこそ「赤字国債」が発行されるわけなので、国民の血税が姿を変えて一律給付金に化けているわけではないということ。この辺を誤解している人が案外多いようなので、指摘しておきたいと思う。

■「制限有り30万円給付」は不公平な平等政策

 ついでに言うと、もし今回の一律給付金が全て国民が支払った税金で賄われているのだとすれば、その税金を国が勝手に分配するということが本当に正義になるだろうか?

 今回のように特殊なケースでは、それでも反対するような人はほとんどいないだろうけれど、それは、ある意味で独裁政治になってしまう危険性を孕んでいるということにも目を向ける必要がある。国民(納税者)が真面目に納めた税金を災害のためだけに全て使用するべきだということで、それを有無を言わさず勝手に使用するとなると、それは民主主義ではなく、紛れも無い独裁主義になってしまう。

 「国民が支払った税金」ではなく「国が発行するお金」であるからこそ、全員に公平に分配することが許されるということを考えなければいけない。そして、国が発行するお金であるからこそ、公平に配らなければいけないのである。

 ゆえに、当初、財務省が推していたとされる「制限有り30万円給付」は公平な政策ではなく不公平な政策になってしまうということ。
 「制限有り30万円給付」ではなく、「制限無し10万円給付」にしなければいけなかった理由はそこにある。

 収入の違いで恣意的にお金を分配する行為は、平時の平等政策であって、有事の公平政策とは言えない。新型コロナウイルス問題は国民全員の社会問題であって、一部の人間だけの貧困問題ではないので、「平等」ではなく「公平」に重きを置かなければ緊急政策としての筋が通らなくなってしまう。
------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 22:25 | Comment(1) | 経済
2020年04月19日

新型コロナウイルスの常識破壊【財政再建派の消滅】


■全ての人をリフレ派に転身させた新型コロナウイルス

 大きな騒ぎにもなった制限有り30万円の世帯給付が急遽取り消され、所得制限無し10万円の個人給付がほぼ決定という運びになった。
 個人的には…と言うよりも、マクロ経済的にもこの判断は素直に評価したいと思うが、やはり、この政策に反対していたのは財務省だったと報道されている。

 消費税の増税については財務省に反対することができなかった安倍総理だったが、さすがに今回は世論の反対の声を味方に付けることで10万円給付を通さざるを得なくなったというところだろうか。そういう意味では民意が反映された形であるとも言える。

 不思議なのは、今回、財務省以外の財政再建(緊縮財政)派の人々が、誰も10万円給付に反対していないところだ。毎度、国の借金がどうのこうの、ハイパーインフレがどうのこうのと宣う人々がこぞって10万円給付に賛成しているというのは実に不思議な光景とも言える。

 「国が12兆円もバラまけば、国の借金が返せなくなる」
 「国が12兆円もバラまけば、ハイパーインフレになる」

 こう言う人が今回は誰もいない。全員がこぞってリフレ派に転身してしまったかのように。

■1人10万円でもインフレになる心配は無用

 ところで、麻生副総理は、こう述べられている。

 「手を上げた方に1人10万円ということになる

 かつて定額給付金で全国民に12000円給付したものの効果が無かったことを根に持たれているのかもしれないが、これはいただけない。自己申告制には反対しないが、こういうセコいことはこの際、言わない方が得策だと思う。

 そもそも12000円というのが少額過ぎたわけで、10万円を給付したところで、ハイパーインフレは元よりインフレになる心配も全くない。
 アベノミクスで200兆円(1人約200万円)バラまいてもインフレにすらならなかったことは証明済みであり、インフレにするには最低でも1人1000万円(合計1000兆円)、ハイパーインフレにするには最低でも1人1億円(合計1京円)は配る必要があると思う。

 だから、12兆円程度では、全く問題は発生しない。況して今は、経済が仮死状態に陥っているのだから尚更だ。マスクや食料品以外の嗜好品を誰も進んで購入しない状態であるのに、インフレになる心配をする方がどうかしている。

 赤字国債を発行して借金になるといっても、それを現役の人々が返すわけではないし、将来世代が必ず返す必要があるというわけでもない。誰かが汗水たらして働いたお金を借りているならともかく、現在発行している赤字国債は信用創造で作り出したお金(泡銭)に過ぎない。
 もし本当に全世界が赤字国債を発行して創り出した国の借金を返す必要があるということなら、既に全世界は破綻している。
------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 09:52 | Comment(0) | 経済
2020年04月18日

新型コロナウイルスの常識破壊【新卒一括採用編】


■急転直下で激変した企業を取り巻く環境

 昨年はバブル期を超える程の空前の超売り手市場と呼ばれた。学生達は就職する企業を選び放題という具合で、就職氷河期とは比べようもないほど易々と就職できる恵まれた環境だった。そのためか、政府からも、かつて就職活動で苦労した就職氷河期世代を支援する動きも見られた。

 しかし、今年に入って突然、新型コロナウイルス問題が発生し、そのお気楽なムード水を差すかのように急転直下で企業を取り巻く環境が一変した。
 企業は新入社員の入社式も行うことができなくなり、入社後も即、自宅待機ということで、本当に就職したのかどうかも分からないという宙ぶらりんの状態になってしまった。梯子を外されたと言うべきなのか、このままこの外出自粛や休業状態が長期化するとなると、内定取り消しならぬ、入社取り消しになる人や、仕事が無いので自分から退職するという判断に至る人も結構出てくるのではないかと思われる。

 今年は、学生の内定辞退が騒がれた昨年とは真逆の厳しい1年となる可能性が極めて高い。

 こういう時は、1年程、遊ぶつもりでのんびり構えた方が精神的にも楽だと思えるのだが、新卒で入社したばかりの社会人1年生や、今年就職活動をする学生にしてみれば、そんな悠長なことは言っていられないと思うのかもしれない。

 気楽に思えない理由の1つは、日本社会には“新卒一括採用”という悪習があるからだとも言える。卒業した年に就職できなければ、次の年に就職するのが難しくなるという逼迫感が目の前にドンヨリと横たわっているので、どうしても悲観的に考えざるを得なくなるのだと思う。

■「新卒一括採用」は崩壊せざるを得ない

 就職活動をする時期に、世間の景気が良いか景気が悪いかで、新卒者のその後の人生が大きく変わってくるような不安定で不条理な社会というのは、普通に考えるとおかしいわけで、そういったおかしなところは改めるべきなのだが、今までズルズルと放置したままで真面目に改めようとしてこなかった。そういった悪弊が新型コロナウイルス問題によって一気に表面化したとも言えるだろうか。

 新型コロナウイルス問題が発生したことによって、今後は、この新卒一括採用という日本特有の就職システムは、これまでのようにポーズ(見せかけ)だけでなく、本当に本腰を入れて改めざるを得なくなると思う。幸か不幸か、運・不運で就職氷河期世代を作り出すような歪んだシステムはもうこれ以上、維持していくことは不可能になる。

 日本のマスコミは、アメリカの失業者が増加したことを超悲観的に報道するが、当のアメリカ人は日本ほど失業というものを悲観的には捉えていない。当面の生活に足りる預貯金がある人なら、「コロナが終息するまでのんびり休むか…」というような楽観的な人も大勢いると思う。

 日本のように新卒で就職しなければ、その後の人生が大きく変わるというような差別的な社会制度は無いし、企業が新卒以外の労働者を差別するようなこともないので、仕事さえできれば、なんとかなるさというお気楽さがある。言わば、ケ・セラ・セラの精神だ。

 日本社会における、集団での新卒一括採用、集団での入社式、集団での新入社員教育、こういったものは今後、全て過去の遺物になっていく可能性がある。

 しかしそれは、これから社会人になる人にとっては悪いことだと嘆くことではなく、むしろ良いことだと喜ぶべきことなのかもしれない。
 年齢で差別され、一度転落した者は二度と這い上がれないような窮屈な社会よりも、年齢で差別されず、たとえ失敗したとしても能力や努力が正当に評価され報われる社会、その方が良い社会に決まっている。
------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 19:00 | Comment(0) | 経済
2020年04月03日

新型コロナ経済「社会主義化する世界経済」


■大盤振る舞いの現金バラマキ合戦

 新型コロナウイルスに端を発する人々の自粛行動によって経済活動が滞り、お金までが動かなくなってしまったことから、世界各国は平時では絶対に実施できない大盤振る舞いの現金バラマキを発表している。
 新型コロナが流行している間は“戦時経済”が適用されているため、世界中が社会主義化しているようにも見える。

 そんな中、日本でも一世帯あたり30万円の現金給付を行うと伝えられている。
 と言っても、一定の所得制限を課した給付であるらしく、収入が半減したような世帯が対象となるらしい。しかも、1人30万円ではなく、一世帯30万円とのこと。
 しかし、新型コロナの影響かどうかを逐一調べるとなると膨大な人的費用と日数がかかると思われるのだが…。自己申告制とはいえ、なんのチェックもせずに支給するわけにはいかないだろう。
 ちなみにアメリカの場合は、1人1200ドル(13万円)だが、こちらも一応、所得制限が設けられている。

 個人的には、そんなまどろっこしいことをせずに一律で全国民に一定額の給付金を配った方が手間もかからずすっきりすると思われるのだが、この国の政治家も官僚も現金を(公平に)配ることには抵抗があるように思われる。

■「定額給付金」は「低額給付金」だった

 麻生氏も現金給付には乗り気でないらしく、「二度と同じ失敗はしたくない」と述べられている。
 麻生氏がリーマンショック後に行った定額給付金は、当時、「世紀の愚策」とも言われた。しかし当時、現金を配るという発想自体は英断だったと思う。問題はその額(1人12000円)が少な過ぎたことだった。言わば、定額給付金ではなく低額給付金だったことで失敗した。

 例えて言うと、現在、布マスクを2枚配るという政策(アベノマスク)が話題になっているが、布マスクの代わりに千円札2枚を配るというような政策だった場合を考えてみよう。

 果たしてそれで、コロナ苦境の真っ只中にある人の生活が何か変わるだろうか?
 常識的に考えると、ほとんど何の足しにもならず焼け石に水にしか成り得ないだろう。ゆえに、経済は全く動かない=失策=世紀の愚策となってしまう。(注意:アベノマスクのことではない)

 1人12000円ではなく、12万円なら少しは景気に影響を与えることができたかもしれない。人間心理を変えるほどのインパクトが無ければ景気は良くならない。

■当事者意識が絶望的なまでに持てない官僚達

 麻生氏の定額給付金は残念ながら失敗してしまったが、現金を配るという発想を持ち、それを実行したことは評価できると思う。
 しかし日本の官僚達には現金を配るという発想自体を持てない人が多くいるように思われる。元々、緊縮財政を好み、庶民が大金を持つことは許さないというようなエリート気質を持った人も多いのではないかと思う。バブル潰しも官僚の嫉妬が根底にあったというのも有名な話だ。

 新型コロナウイルスに端を発する経済不況の波は庶民だけが被り、官僚達は困らない。民間企業の仕事が無くなることがあっても官僚達の仕事は無くならない(逆に増える)。民間企業が経営危機になってもお役所は経営危機とは無縁。自営業者が廃業することはあっても、お役所には廃業は無い。

 結局、彼ら官僚は当事者意識が絶望的なまでに持てないため、どこまでも他人事でしかないのかもしれない。
 給付金を配るにしても、マスクを配るにしても、手続きを複雑にして新たな役所仕事を増やして焼け太る。この期に及んでも省益が優先されているのだとすれば、国民は不幸としか言い様がない。
------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 23:25 | Comment(0) | 経済
2020年03月25日

新型コロナ経済対策『期間限定ベーシックインカム』のススメ


■新型コロナウイルス問題を「戦争」とする意味

 アメリカ政府の新型コロナ経済対策における予算は220兆円と決定した。一方で、日本政府は30兆円の予算を組むと伝えられている。

 ドイツのメルケル首相が新型コロナウイルス問題は「第2次世界大戦以来最大の問題」と述べられたように、各国政府は、この問題を「戦争」という言葉を用いて語っている。これは実に意味深だ。
 無論、それは戦争と同じ危険性があるという意味ではなくて、この機会に便乗して可能な限りの経済政策(金融緩和)を進めるという意味合いで意味深ということ。

 20世紀では「戦争は最大の経済政策」とも言われた。考えると非常に恐ろしい言葉でもあるが、残念ながら20世紀とは名実ともにそういう時代だった。日本も朝鮮戦争による朝鮮特需で景気が好転したことは有名な話だ。
 21世紀になると、余程のことがない限り戦争をするようなことはなくなった。独裁国家(中国や北朝鮮など)が暴発でもしない限り大々的な戦争は起こり得ない。そう考えると21世紀は随分と平和な時代になったと言える。

■「無制限の量的緩和」の意味するところ

 では、戦争が起こらない時代で最高の経済政策と成り得ることは何だろうか?
 それは、戦争と同じ危機感を演出することによって、疑似的な戦時体制を敷くことである。ちょうど、今回の新型コロナウイルス問題は、その体制を敷くには打ってつけの事件だったと言える。戦争とは比べものにならないほど被害は少ないにも拘らず、戦争時と同じような経済政策が打てる。アメリカ政府が言い出した「無制限の量的緩和」などは、まさにそれに該当する。

 新型コロナウイルスという禍を転じて福と為す大々的な経済政策(金融緩和)を打っても誰も文句を言わず認めるしかない。野党も国民も同じようにパニックになっているので、どんな政策も素通り状態になる。

 アメリカ政府は、企業の自社株買いを自粛するようにも要請している。その言葉が意味するものは、「自社株買いは政府が代わりに行います」ということなのだろう。なんせ220兆円という巨額の資金が使用できるようになったので、経営破綻しかけていたボーイング社に数兆円注ぎ込んで救済することもできれば、上場企業の株式を一気に買い上げる芸当もお手のもの。戦時中(ということになっている)であるからこそ、そういったことが意図も容易くできてしまう。

 世の中には、新型コロナ不況で恐慌になると言っている人もいるが、それよりも逆にバブルが発生してしまうことを懸念した方が現実的かもしれない。その可能性は皮肉にも人々がパニックに陥れば陥るほど高くなる。

■15兆円でできる「ベーシックインカム」

 日本政府も1万円の現金支給をするとか、商品券を配るとかするよりも、この機会を利用して、期間限定のベーシックインカムでも試してみればよいのではないかと思う。

 4月から6月までのMAX3ヶ月間で、1人毎月5万円ずつの現金を支給すればよいと思う。コロナが4月で終息すれば4月で打ち止め、5月まで続けば5月までの2回、6月まで続くようなら6月までの計3回支給すれば、最低5万円〜最高15万円のベーシックインカムになる。
 最大で1人15万円なので、30兆円の予算の半分(15兆円)で可能になる。

 最長3ヶ月間のセーフティネットの構築、それで自粛によって仕事が停止して困っている人に少なからず安心感を与え、自殺者を減少させることにも繋がると思う。


------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 22:38 | Comment(0) | 経済
2020年02月21日

トランプ大統領再選でNYダウは4万ドルに向かう


■なぜ、NYダウは下がらないのか?

 アメリカではインフルエンザが大流行しており、後を追う形で世界では新型コロナウイルスの流行が注意喚起されている。しかし、アメリカの株式市場はNYダウ、ナスダック共に全くと言っていいほど下落する気配が感じられない。ここ最近、調整的な下落は有っても、大幅な下落は起こっておらず、インフルエンザもコロナウイルスもどこ吹く風という感じで、上昇トレンドを継続している。

 なぜ、こうもアメリカの株式市場は強いのか?という声も最近よく耳にするが、その答えは単純に、次期大統領選の結果を織り込みにいっているからだろうと思われる。

 現在、米民主党の大統領候補を決定する予備選挙が行われている真っ最中だが、今夏、誰が大統領候補になったところで、トランプ再選は揺るがないだろうことは容易に想像が付いてしまう。

 米民主党のリベラル候補者がいくら綺麗事を並べても、結果的に景気を回復基調に乗せることに成功したトランプ大統領の功績は微動だにしない。景気が悪くなるばかりだった民主党オバマ元大統領の二の舞は誰もが御免被りたいと思っている。

■トランプ大統領が再選される確率は、99.99%

 ケント・ギルバート氏も昨年から早々に「トランプは再選する」と述べておられたが、唯一の懸念材料だった「ロシア疑惑」も無罪判決が出たことで、さらにトランプ氏が再選される可能性は高まったと言える。

 ケント氏も述べておられるが、「ロシア疑惑」というのは、日本で言うところの「モリカケ問題」みたいなものであり、疑惑だけで、疑惑が無いことを証明しろという悪魔の証明になっていた。

 ケント氏曰く「アメリカの民主党は下院で多数を取っていますが、特筆すべきことは何ひとつやっていません。日本の野党と同じように、政権の揚げ足取りやスキャンダルをあげつらうことしかしていません
【参考文献】『トランプは再選する!日本とアメリカの未来』(ケント・ギルバート著)

 このような政党では、どんな口達者な候補者を擁立したところで、実際に結果を出しているトランプ氏に敵うはずがない。

 個人的には、トランプ大統領が再選される確率は、99.99%、つまり、万が一のことが起こらない限り、再選は、ほぼ確定だと思っている。
 私は2年前に「NYダウはトランプ大統領在任中に3万ドルを突破する」と書いたが、それはほぼ現実に成りつつある。
 今は、トランプ再選で、NYダウは4万ドルを突破することが見えているような状況なので、インフルエンザやコロナウイルスが流行しても、大局は変わらないという判断が、現在の株価に現れているのだろうと思う。
【関連記事】日本の株式市場はバブルなのか?

■消費増税失敗でも日経が暴落せずに済んでいるのは、アメリカ(トランプ)のお蔭

 トランプ大統領再選後、NYダウがあっさりと4万ドルを超えてくると、日経平均株価も、ひょっとするとバブル期の最高値38,915円を更新することになるかもしれない。
 しかしながら、景気回復の実感はあまり無く、「不況下の株高」ということになる可能性が高い。
 消費増税を行うなら、せめてそうなってから行うべきだった。いや、もっと正確に言うと、株価が史上最高値を超えたことで、景気が良くなると思った人々が消費や投資活動を活発に行い、本当に景気が良くなってから行うべきだった。

 元々、日経平均株価は実際の景気と連動しているわけではなく、NYダウに連動していると言った方が正しい。
 不況下で消費増税という経済音痴丸出しの愚策を行っても日経が暴落せずに済んでいるのは、アメリカ(トランプ)のお蔭とも言える。

 与党も与党なら野党も野党で、消費増税したことで各種経済指標が悪化したことを責めるのではなく、そのことを覆い隠すかのように未だに「桜を見る会」を批判しているという有り様。先程のケント氏の言葉通り、政権の揚げ足取りやスキャンダルをあげつらうことしかしていないように見える。



------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 23:29 | Comment(0) | 経済
2020年02月15日

新型コロナウイルスで「脱中国化」する日本


■ラオックスの「希望退職者募集」が意味するもの

 中国発の新型コロナウイルスが今まさに日本でも猛威を振るおうとしている矢先に、免税家電量販店のラオックスが「希望退職者を募集する」と発表した。その数、全従業員の20%にあたる140人(子会社のシャディを含めると160人)。

 ラオックスと言えば、昔は激安のパソコンショップとして名を馳せた企業だと記憶しているが、不況の影響で10年程前に中国企業である蘇寧(そねい)の傘下に入り、社長も中国人の羅怡文氏が務めている。

 昨年から既にインバウンド需要に翳りが見え始めていたが、ここに来て、中国で伝染病が発生したため、更なる企業業績の悪化は避けられないとの判断なのだろう。インバウンド需要の変化(減少)は一過性のものではなく、ある程度は長期化すると見越した上での人員削減なのだろうと思われる。

■「インバウンド消費」の曲がり角に立つ日本

 日本経済はバブル崩壊後、「失われた30年」とも言われ、バブル期とは打って変わって、将来の先行き不安から多くの人々が財布の紐を固く締め、お金を散財しなくなった。一方で、バブル経済の真っ只中にあったお隣の中国人の一部は、どんどんとお金持ちになり、日本に訪れて、高性能で安全な日本の商品を日本人に成り代わってゴッソリと購入してくれた。その旺盛な購入意欲は、かつて札束を手に握り、タクシーを待っていた日本のバブル期の成金の人々の姿そのままだった。

 その景気の良い姿に気を良くした日本の商売人達は「お客様(中国人)は神様」と言わんばかりに、我先にと中国人旅行者の獲得に努めた。
 日本のバブル期を彷彿とさせる中国人の購買姿勢は、いつしか「爆買い」と呼ばれるようになり、「インバウンド消費」という言葉がテレビや新聞のタイトルとして踊り、お茶の間を賑わせた。

 政治的には、日本の尖閣諸島を乗っ取ろうという思惑を抱いた中国に「ノー」を突き付けても、その国からの一般旅行客は別物とばかりに「ヨイショ」する。
 政治と経済で明らかな二重基準(ダブルスタンダード)を貫いてきた日本だったが、今回の新型コロナウイルス騒ぎによって、その二重基準は改められようとしているかに見える。

■「目に見えないウイルス」が日本を変えるという皮肉

 日本人は、唯物論者が多いせいもあるのか、殊更に目に見えないものを恐れる傾向がある。原発の放射能と同じように、ウイルスも目には見えない。こういう場合、正しい判断をするには科学的に冷静になることが求められるが、原発事故の時に判明したように、日本では、人体に全く悪影響が無い微量な放射線でも頭から…と言うよりも、脊椎反射で科学的事実を受け付けないという人が大勢いた。無論、それは過去形ではなく、現在進行形で存在している。
 今回のウイルスも放射能と同じような感覚で、脊椎反射で否定する人々は大勢出てくるものと思われる。否、既にそういった人々は存在している。

 彼らが抱いている恐怖は、ウイルスだけでなく、ウイルスを運んでくる中国人にも向いている。
 尖閣諸島を乗っ取ろうとする中国人には見向きもしなかった人々が、ウイルスを日本国内に持ってくる中国人には断固として「ノー」を突き付ける。実に皮肉な現象だが、彼らは自分自身に被害が及ぶと思われるものには実に厳しい態度に変化する。

 日本は、政治的にも経済的にも、ようやく「中国依存」から「脱中国」に舵を切ろうとしているのかもしれない。それは、短期的には大きな衝撃ではあるが、長期的には良いことであるのかもしれない。


------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 20:57 | Comment(0) | 経済