■NHK受信料の値下げに言及する政府
2020年10月からNHKの受信料が月額1260円から1225円となり、35円値下げになった。しかし、それでは足りないということで、武田総務相は先月、以下のように述べた。
「コロナ禍において、家計の負担を減らす受信料の値下げにまず着手するのが公共放送としてのあるべき姿だ」
この発言から一月が経過しても、NHKは重たい腰を上げようとはしないので、武田総務相は更に以下のように捲し立てたらしい。
「コロナ禍で早期にやらずにいつやるのか。家計の負担を軽減するため、国民の受信料で成り立つ公共放送が何をすべきかしっかり考えてほしい」
実際のところ、NHK受信料を数十円とか数百円下げたところで、コロナ禍における国民生活が大きく改善されるとも思えないが、「携帯電話料金よりもNHK受信料を値下げするべき」という多くの国民からの意見を無視するわけにもいかなくなったのかもしれない。
先日も、高橋洋一氏が「公共放送分に見合う受信料は毎月200〜300円程度」と言って話題になっていたが、仮にNHKが国営放送になった場合、税金として支払う適正料金もその程度なのかもしれない。
■国民が求めているのは「料金の引き下げ」ではなく「制度の公平性」
赤字経営の民放と違い黒字経営で潰れる心配のないNHKが受信料を引き下げることは歓迎するべきことなのかもしれないが、大部分の国民がNHKに求めているのは、料金の引き下げではなく、制度の公平性であり、公共放送という立場に胡座をかいて、番組を観ない人からも有無を言わさずに視聴料を徴収するという不条理極まりない受信料制度をこそ見直して欲しいと願っている。
例えば、朝から晩まで四六時中、NHKの番組ばかり観ているような人であれば月額3000円にしても構わない。しかし、NHKの番組を全く観ない人が、なぜ同じ料金を支払わなければならないのか?というのが本音だと思う。要するに、定額制ではなく従量制にしてほしいということ。
通常、定額で見放題のサブスクリプションサービスの契約というのは、そのサービスを利用することが前提であり、全くサービスに依存していない人であれば、どれだけ安価なサブスクサービスであっても契約するような人はいない。映画やドラマを一切観ないような人であれば、たとえ月額100円でもネットフリックス等には加入しないだろう。
ところが、NHKの場合、全くサービスを必要としていない人からも同じようにサブスク料金を徴収している。そういう出鱈目な制度を改めてほしいというのが国民の願いなのである。
■DVD販売で利益を上げるNHK
ところで、NHKではオリジナルのテレビドラマが製作されている。少し古いが、例えば、以下のようなドラマがある。
こういったテレビドラマはテレビで放送されるだけでなく、放送終了後にはDVDとして販売、またはレンタルされていたりする。受信料として集金したお金で製作しているテレビドラマであるなら、そのDVDを販売することによって得られた利益はどうなるのだろうか? 最近、DVDレンタル店で、ふと、そういう素朴な疑問を抱いた。
もし、NHKが赤字経営であり、DVDを販売することによって赤字を埋めているということなら理解もできるが、元々、巨額の利益を経常した上で、DVDを製作・販売することで更に利益を上げているということなら、その利益は受信料を支払っている視聴者に還元されるべきものではないのだろうか? つまり、受信料に反映(=値下げ)するべきではないのだろうか?
公共放送局としてのNHKに対して、毎月定額の受信料を支払っている視聴者は、言わば、NHKの長期永年株主のようなものであり、株主から集めた資金で番組を製作して利益が得られたのであれば、必要以上の利益は自社にプールするのではなく、株主に配当として還元するべきという意見があってもおかしくないと思う。
視聴者からの受信料によって製作した番組を営利目的で副次利用して更なる利益を上げることが、公共放送局の仕事なのだろうか? それだけ商魂逞しければ、民営化しても十分にやっていけるのではないかと思われるのだが…。
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