
■「戦争のできる国にするな」という言葉の向かう先
かつて、「憲法を護れ」と叫んでいたのは、「戦争反対」を標榜する左翼が中心だった。
彼らの言い分は「戦争できる国にするな」というもので、その発言の向かうべき主体はあくまでも「日本国」だった。曰く、「日本の独裁者のような政治家が戦争できる国にしようとしている」というものだった。
しかし、平和ぼけした日本で戦争をしたいなどと思っている人間がいるなどと言っても、あまりにも現実とは遊離し過ぎていたため、そんな世迷い言を真に受けるような人は誰もいなかった。
戦後、GHQは日本が二度と戦争…と言うより反撃(報復)をしないように、憲法で戦争することを禁じた。その目的を遂行するために、護憲派というものを作り出した。
戦前の日本は軍国主義だったことを強調し、他国を侵略していた悪い国だったと嘯き、純粋無垢な平和主義者を洗脳した。皮肉なことに、護憲派が二度とアメリカに歯向かわない日本を作り出すことに貢献することになった。
日本はあくまでも自衛戦争としてアメリカと戦争した(させられた)のだが、いつの間にか、日本が戦争を起こした張本人だったということにされた。それまで、世界中の国々を植民地化してきたのは欧米各国だったことは歴史が証明しているにも拘らず、それらの植民地を解放した日本が1人、泥を被った格好となってしまった。
■憲法認識における“ねじれ”が生まれた背景
護憲派の「戦争のできる国にするな」という言葉は正しい。しかし、その言葉の向かうべき先は日本ではなく、欧米でなければおかしい。
戦後から80年近く経過し、完全に戦争のことを忘れた日本人に対して、GHQのバックにいた組織は新たな戦争を起こすために、今度は戦争を禁じた日本の憲法が邪魔になった。かつて、自分達が押し付けた憲法が邪魔になったため、改憲することを望むようになった、
ここに現在の憲法認識における“ねじれ”が生まれた。
かつて、「押し付け憲法を変えるべき」と言っていた改憲派が護憲派になった。しかし、それは一時的な暫定措置であり、押し付け憲法を変えるべきという考えは変わっていない。無論、戦争できる国にするための憲法ではなく、自国のための平和憲法である。
現在の日本では、2種類の護憲派がいることになる。欧米を悪とする護憲派と、日本を悪とする護憲派が存在している。前者は正しいが、後者は間違っており、結論は同じでも、その中身や認識が全く違っている。
■戦争を引き寄せようとしている似非保守に御用心
では、改憲派はどうかというと、こちらは中国を悪としている。
以下にまとめると、
護憲派A…欧米が悪
護憲派B…日本が悪
改憲派…中国が悪
この認識の違いを思想的に訳せば、以下のようになる。
護憲派A=保守
護憲派B=左翼
改憲派=似非保守
戦後、GHQは押し付け憲法によって「リベラル」という存在を作り出した。彼らは「GHQベビー」とも呼ばれる。
数年前から、リベラルは左翼だったとする説が一般的だが、実はリベラルには2種類の存在がいた。それは、共産主義を悪とするリベラルと、共産主義を善とするリベラルである。前者が似非保守、後者が左翼であることは言うまでもない。
戦後の日本国民は、この2つのリベラルを用いたプロレスを見せられていた。日本を戦争に引きずり込んだ本当に憎むべき戦犯から目を逸らすための架空のお芝居を見せられ続けてきた。
戦前の日本人の多くが認識していた本当の敵は、日本と中国を戦争させたがっている。そのために、邪魔となった押し付け憲法を変えようと画策している。彼ら戦争屋に洗脳され、無意識的に戦争を引き寄せようとしている似非保守に注意しよう。
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