2022年10月02日

グローバリズム(大共産主義)の恐怖に鈍感な日本の保守論客達


■プーチン大統領は真正の保守論客

 2022年9月30日に行われたプーチン氏の大統領演説は、どう聞いても、まともな民主主義者の意見であり、日本のリベラル保守が舌鋒鋭く批判しているような独裁者の発言とは思えなかった。

 プーチン氏は現代における国際社会の問題点にも鋭く言及されており、非常にリアルに正しく現代社会の問題点を理解されていることが窺える内容だった。

 日本では、ロシアを未だにかつての共産主義国家ソ連と同じように見ている人が大勢おり、その言説を聞いていると、まるで数十年前にタイムスリップした光景を観ているかのような錯覚を覚えることがある。

 例えば、一応、日本では保守論客に分類されていると思われる上念 司氏などは、近著『日本分断計画II-ロシア・中国に操られる自称愛国者を駆逐せよ!』の前書きに以下のように書かれている。

権威主義国家はありとあらゆる手段を使って、日本や欧米のような自由で開かれた社会の破壊を試みているのだ。ロシア・ウクライナ戦争の勃発で、我々は忘れかけていた共産主義の恐怖を再び思い出している。ロシアにとって国際秩序は邪魔であり、小国は存在自体が認められない。


 この短い文章内にも間違いが多々含まれていると思われるので、以下に率直な感想を簡単に書かせてもらおうと思う。

>権威主義国家はありとあらゆる手段を使って、日本や欧米のような自由で開かれた社会の破壊を試みている

 まず、現代における最大の「権威主義国家」はアメリカであり、「日本や欧米のような自由で開かれた社会」という認識自体が根本的に間違っている。
 現にアメリカ人の多くが、現在のアメリカは社会主義国家だと嘆いており、アメリカが民主主義国家などと信じているような酔狂な人は滅多にいない。そんな人がいたとしても、それは建前論であり本音で言っているわけではない。

 プーチン氏も述べているように、他国の歴史や文化という名の「社会」を破壊しているのは、アメリカ(西側諸国のグローバリスト)の方であり、それに対抗しているのがロシア側ということになる。

>ロシア・ウクライナ戦争の勃発で、我々は忘れかけていた共産主義の恐怖を再び思い出している。

 現代の我々が気づくべきなのは、かつての共産主義の恐怖ではなく、新たな共産主義としてのグローバリズム(大共産主義)の恐怖の方であり、この悪魔的思想が現代社会を覆っている悪夢の正体だと気づくことである。現代社会における不幸な災厄(コロナ禍や不況)は全てそこから派生していると言っても過言ではない。

>ロシアにとって国際秩序は邪魔であり、小国は存在自体が認められない。

 これも全く逆。アメリカ(西側諸国のグローバリスト)にとって各国独自の文化は邪魔であり、自分達の意向に従わない国々の存在自体が認められないというのが正しい。
 実際にアメリカ(西側諸国のグローバリスト)は、近年、他国の文化を破壊し続けてきた(もちろん、日本も例外ではない)。世界をワンワールド化し独裁的な世界統一政府の構築を目論む彼らは、各国独自の文化は邪魔だと考えている。

 各国独自の歴史や文化を護る姿勢を「保守」と呼ぶのであれば、プーチン氏は明らかに「保守」に分類される。

 では逆に、世界をワンワールド化する姿勢を何と呼ぶのか? 実は、それこそが独裁者の姿勢であり「共産主義」と呼ぶのである。

------------------------------------------------------------------------------------------


スポンサーリンク




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
posted by 自由人 at 14:42 | Comment(0) | 国際問題
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。