■「只より高いものはなかった」
楽天モバイルは、新しい料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表した。
新料金プランでは、データ通信量によって月額980円から2,980円の変動制になると告知されている。確か以前からもそうだったと記憶しているが私の勘違いだろうか。ただ、注目すべき大きな違いは、その部分ではなくて、1GBまで無料だった料金コースが無くなってしまったところだ。
その理由について三木谷氏は、電気通信事業法に原因があるとしているが、どんな事情があるにせよ、これまで無料で利用してきたユーザーにとっては、いきなり有料になる(月額980円に値上げされる)ということに他ならない。
3GBまで980円ということなので、それほど高い料金設定ではないとはいえ、これまで0円で利用してきた人にとっては、インフレ感がハンパないといったところだろう。せっかく契約したのに、解約してもっと安いところに乗り換えることを思案している人も大勢いることだろう。
「只より高いものはない」「君子危うきに近寄らず」という昔からの格言通り、私は楽天モバイルの0円コースには近寄らなかったが、どうやら結果的には正解だったのかもしれない。楽天の1株主としては複雑な気分だが、楽天の「客寄せパンダプラン」はサービスとしては少々、度が過ぎていたと言えそうだ。
楽天モバイルの場合、「Rakuten Link」アプリを使用すれば、通話料金まで完全無料になるので、一体どこで利益を出すのだろうか?という疑問しかなかったが、こんな顛末を迎えては「詐欺師」呼ばわりする人も出てきそうな雲行きだ。
■「逆神の経済テロリスト」を無視しよう
この1年、政府主導で顧客を奪うための争奪戦を繰り広げてきたスマホ業界だが、これを戦争に例えるなら、誰も得をしない単なる消耗戦にしかなっていない。返って景気を悪くする短期的なミクロ戦略ばかりに目が行き、本当に長期的に景気を良くするというマクロ戦略を完全にガン無視しているという有り様。
政府自体が景気を良くするというビジョンや意気込みを全く持ち合わせていないせいか、結果的に景気を腰折れさせ、お互いに足を引っ張り合うだけの愚策しか出てこない。
無意味な価格競争に明け暮れて、どうして全体としての景気が底上げされるのか? 無意味な価格競争に明け暮れても最終的に勝利を手にするのは一部の人間だけである。
そんな当たり前の経済原理さえ正しく理解していない善意の経済テロリスト達によって日本経済はどんどんシュリンクしていくばかり。
特に楽天の0円サービスなどは、もはや価格競争ではなく、価格破壊でしかなかった。価格競争さえ無意味化してしまうような無茶なサービスが持続できるはずもなく、そんな無理ゲーに付き合わされることになった競合他社も「今更、中止するのは反則だ!」とブーイングしたいところだろう。
景気を悪くすることしか考えていないかに見える逆神の経済テロリスト達(政府・マスコミ・専門家)の言うことを真面目に聞いていると碌なことがない。
彼らの意見を無視することこそが、日本を良くする最大の秘策となるに違いない。
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