2022年02月27日

「ロシア」と「中国」を同一視する日本の保守


■ロシアの侵攻で「憲法改正」は短絡的

 ロシアがウクライナに侵攻したということで、日本の保守界隈が「憲法改正」で色めき立っている。「第2のウクライナにならないために、いまこそ憲法改正をするべきだ」という具合に。

 しかし、これはちょっと筋が違うのではないかと思われる。

 彼らは、現在の「ロシア」を「中国」に、「ウクライナ」を「日本」に置き換えて、危機を煽っているのだろうけれど、どうもしっくりとこない。

 ウクライナは元々、世界有数の核保有国だったが、1990年代にアメリカとの安全保障と引き換えに核を放棄した経緯がある。ウクライナが核兵器を持たない国になったのでロシアが攻め込んだという理屈になっているのだろうけれど、そんな単純な理由で攻め込んだわけではないだろう。

 地政学的にウクライナは、ロシアと欧州の境目にある。欧州側(西側諸国)というのはNATO(北大西洋条約機構)のことを意味し、思想的には左翼グローバリスト(=ディープステート)側ということになる。一方、現在のロシアはソ連時代とは違って自国の独立と文化を守っている反グローバリスト側ということになる。

■左翼グローバリスト側に付く日本の保守

 ウクライナには親ロシア派の人々も大勢おり、西側諸国的なグローバル化を願わない人々は、ロシア側に付いている。そういった人々はウクライナからの独立を希望しており、数年前にはウクライナから独立するという名目で、ウクライナ内に別の首都(ドネツクとルガンスク)を設ける動きに出ていたことも周知の通り。

 こういった動きに対して、不満を抱いているのはロシアではなく、実は西側諸国の方であり、その反目対立が今回のロシアの行動に繋がっている。

 今回のロシアによる侵攻は、言わばウクライナの内戦のようなものであり、その背景には西側(グローバリスト)と東側(反グローバリスト)の思想戦がベースにあり、ロシアが侵略目的で一方的にウクライナに攻め込んだと捉えるのは無理がある。

 ということで、今回のウクライナ問題は、中国が一方的に日本に攻め込むような話とは必ずしも一致しない。

 強いて言うなら、中国が日本を共産圏に引き入れようとしたので、アメリカが日本を舞台に中国に攻撃を加えたという状態に近い。
 言い換えると、欧米がウクライナを西側諸国圏に引き入れようとしたので、ロシアがウクライナを舞台に欧米に攻撃を加えたという状態。

 しかし、左翼グローバリスト側に付く日本の保守(自称保守・似非保守・ビジネス保守)というのは、一体、何を保守しているつもりなのだろうか?

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posted by 自由人 at 15:38 | Comment(0) | 国際問題
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