2021年05月05日

コロナ禍での「緊急事態条項」は「諸刃の剣」


■もしインフルエンザに「緊急事態条項」を適用すれば?

 コロナが流行り出した頃、諸外国からの入国を即座に禁止するためには「政府にもっと強権を発動する権利を与えなければならない」ということで、憲法に「緊急事態条項」を設ける必要があるという声が大きくなった。

 確かにコロナがペストやコレラ並に危険なものだと思われていた初動の段階では、これは正論に聞こえた。しかし、それから1年経った現在では、少なくとも日本でのコロナはインフルエンザ以下の被害しか発生していないことが明らかになった。

 「緊急事態条項」は、戦争(他国からの侵略)や大地震等による大規模な災害時には適用する必要が有ると思われるが、現在のコロナ禍に適用するのは非常に危険な選択になる可能性があることは否定できない。

 コロナ禍以前の常識では、「緊急事態条項」を否定するのは左翼と決まっていたが、コロナ禍以後は、そうでは無くなった。本当の危機の前では必要なものでも、その危機が本当に深刻な危機ではなかった場合、あるいは、その危機が人々の無知から生じた誤解であった場合、政府の強権の発動を無条件に許す「緊急事態条項」は、諸刃の剣となる危険性があるということを知る必要があると思う。

■「諸刃の剣」となった「緊急事態条項」

 例えば、インフルエンザの流行で「緊急事態条項」を発動し、要請のみの「緊急事態宣言」ではなく、「ロックダウン」が強行された場合を考えれば、その危険性がよく解ると思う。

 国家の命運を左右するほどの危機ではないインフルエンザの流行に対して「ロックダウン」を行い国民の経済活動を完全に停止してしまうと、その結果として国が滅びる危険性が生じることになる。国が滅びないまでも、多くの国民の生活が破綻してしまい、経済的な理由によって、多くの国民が塗炭の苦しみを味わうことになり、多くの人が自殺を余儀無くされるという事態に成りかねない。

 本当の危機でそうなるなら、まだ諦めも付くだろうが、大した危機でもないにも拘らず、そのような結果を招くことは許されることではない。「無知や誤解で多くの国民が死亡することになりました」では済まされない。

 ゆえに前回の記事では、保守であっても「緊急事態条項」の追加は条件反射的に喜べるものではないと書かせてもらった。これまでの常識では、「緊急事態条項」の創設を否定するのは、先にも述べた通り、国家破壊願望を抱いた左翼と決まっていたが、コロナ禍という未体験ゾーンの出来事が発生したことで、その常識も崩れ去った。

 逆に考えると、「緊急事態条項」の創設を望むのは保守派だけではなくなったということでもある。危機でもないものに「緊急事態条項」を適用し、国を破壊することができる危険性が生まれたということを知らねばならない。

 「緊急事態条項」は、「諸刃の剣」となる危険性があるものに変わってしまったのである。

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posted by 自由人 at 11:39 | Comment(0) | 社会問題
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