■「宇宙人が人間を創った」という都市伝説は本当か?
YouTubeで最も人気のあるジャンルの1つは「都市伝説」系であるらしく、最近は都市伝説系の動画がこれまで以上に流行りのようだ。ネット上には真偽のほどがあやふやな様々な都市伝説が溢れているが、その中でも最近よく目にするのが「宇宙人が人間を創った」というもの。この話は、都市伝説系の某テレビ番組でも放送されていたそうだが、これは本当だろうか?
まず、人間の誕生を巡っては、大きく分けると次の3つの説がある。
1、神が人間を創造した。
2、科学の進んだ宇宙人が遺伝子操作で人間を創った。
3、猿が人間に進化した。
おそらく、この3択であり、いずれかが正解だということは誰もが認めるところだろうと思う。
全能の「神」を創造主として仰ぐか、科学技術の進んだ「宇宙人」を神と仰ぐか、「偶然」を信じて神を否定するか、この3択ということになる。
■宇宙人の存在を否定するのもSF
現代ではダーウィンの進化論の影響で唯物論としての「3」を信じている人が圧倒的に多いのかもしれない。
「神の存在はともかく宇宙人の存在を肯定するのはSFだ」と思う人がほとんどかもしれないが、冷静になってよくよく考えてみると、この広大無辺とも言える大宇宙の中に、知的生命体が地球にしか存在しないと考えることも十分にSFだと言える。
大宇宙の規模を地球に例えて言うなら、広大なサハラ砂漠の1粒の砂が銀河系のようなものであり、太陽系の中の1つの星でしかない地球などはその1粒の砂の中にある顕微鏡にすら映らない小さな小さな点に過ぎない。
その地球にだけ知的生命体が誕生し、その他の、文字通り星の数ほどある砂の中には一切、知的生命体は存在しないというのは、確率的に言うなら、限りなく0%に近い偶然…と言うよりも、0%だと言っても差し支えないレベルだと言える。
人間という存在が、大宇宙の中にたった1つしか存在しない唯一無二の希有な知的生命体などと何の疑いもなく信じること自体がSFだとも言える。もし、それが真実であるなら、人間は有り得ない奇跡のような確率で誕生した生命体ということになってしまう。人間は神が創ったという奇蹟を信じることが信仰であるなら、0%に近い偶然で人間が誕生したという奇跡を信じることもまた立派な信仰だと言える。
■都市伝説としての「進化論」
このての議論をすると、人間が何者かの意思で必然的に誕生したのか、それとも進化論で言うところの全くの偶然で誕生したのかという神学論争になってしまうのだが、猿が人間に突然変異したというのは、普通の常識で考えると、にわかには信じ難い話でもある。
もしそれが本当なら、野性の猿や動物園の猿はそのうち人間に進化してもおかしくないということになってしまうが、そんなことが起こる気配は全くなく、人為的に遺伝子操作でもしない限り、猿はいつまでも猿のままだと思う。
進化論が真実であるなら、猿だけでなく人間もいつかは人間以上のものに進化するという話になってしまうが、これも、人為的に遺伝子操作でもしない限り、人間はいつまでも人間のままだろうと思う。
人間の誕生を考える以前に、地球が1年間をかけて太陽の周りを規則正しく1周しているなどという数学的に緻密に計算されたかのような天体システムが偶然に出来ていると思う方がどうかしている。もしこれらが全て偶然の産物なのであれば、ある日突然、地球が爆発して消滅しても我々人間は誰にも文句を言えない儚いゴミのような存在ということになってしまう。
そんなことを考えていくと、やはり、人智を超えた何かしらの意思が働いた上で生命(人間)が誕生したと考える方が理に適っているのではないかと思える。
■「卵が先か、鶏が先か」は成立しない
「宇宙人が人間を創ったので、神は存在しない」と言っている人もいる。
「宇宙人が人間を創った」という人にお聞きしたいのは、「では、その宇宙人はどうやって誕生したんですか?」ということ。
こう言うと、「また別の宇宙人が創った」という返答が返ってきそうだが、そうなると、延々と「その宇宙人も、また別の宇宙人が創った」という堂々巡りのイタチゴッコに陥ってしまう。
これは、「卵が先か、鶏が先か」の議論に似ている。しかし、この「卵が先か、鶏が先か」という命題はそもそも成立しない矛盾を抱えている。
「卵は鶏が生んだ」 それはその通り。
「では、その鶏はどこから生まれたのか?」と問うと
「鶏は卵から生まれた」と言う。
「では、卵が存在する以前の原初の鶏はどうやって生まれたのか?」と問うと、途端に答えに窮してしまう。
ここで、この議論の矛盾点が露になる。有から有が生まれても、無から有は生まれないという事実を突き付けられると閉口せざるを得なくなる。
結局のところ、「卵が先か、鶏が先か」は途中経過の切り取り論であって、端から生命誕生の本質的な答えを導き出せるような問答ではなく、単なる誤魔化しの堂々巡り論に過ぎないのである。
都市伝説で言うところの「宇宙人が猿の遺伝子操作をして人間を作り出した」というのは、人間よりも科学の進歩した宇宙人が存在すると仮定すれば、有り得る話だとは思う。しかし、だからといって「神は存在しない」とはならない。宇宙人が生物の肉体を改造したということは有り得たとしても、宇宙人は神には成り得ない。なぜなら、その宇宙人も原初の存在では有り得ないからだ。「卵(地球人)も鶏(宇宙人)も、無から誕生することはできない。
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