2020年10月25日

「特別定額給付金」の消費効果が限定的だった理由


■「特別定額給付金」で貯金が増えた単純な理由

 麻生副総理が自身の政治資金パーティーの講演で「10万円の特別定額給付金」について「その分だけ(国民の)貯金が増えた」と述べ、給付金による消費効果は限定的だったという考えを示した。

 この「貯金が増えた」というのは、ある意味、当然の結果だと思う。なぜなら特別定額給付金は手渡しではなく銀行振込だったので、振込された全額を引き出さない限り、貯金は増えることになるから。

 10万円支給されて10万円以上使う人が大多数でない限り、貯金は増えることになる。

 特別定額給付金を支給して判明したことは、消費を喚起する効果が無かったことではなく、先行きに不安を抱えた人間は、お金を配ったとしても消費することよりも貯金することが優先されるということである。つまり、10万円程度では政府が恐れる2%以上のインフレには成りようが無いということを証明したということでもある。

■「特別定額給付金」の効果は有ったが見えなかっただけ

 麻生氏が2009年度に実施した2万円の定額給付金も同様だったが、今回は、コロナ禍という未曾有の危機がバッググラウンドに横たわっているため、元々、失われた消費量が大き過ぎたので、その一部を補填する効果しか無かったということだろう。見えない消費効果は確かに有ったが、落ち込んだ消費量があまりにも大き過ぎたため、その効果が目に見える形で現れなかった(=落ち込んだ消費量を埋めることはできなかった)というだけのことでしかない。

 この結果として得られるべき結論は、「特別定額給付金は効果が無かった」ということではなく、「10万円程度では足りなかった」ということである。

 コロナ禍で失われる消費量は、この先、数年で10万円程度では済まないことは誰にでも分かる。多くの国民は「給付金10万円は消費税を10%に上げたことのペナルティ」程度の認識しか持っておらず、コロナ禍で失われる損失を補填するような効果が無いことは百も承知しているのである。

 2%のインフレにすることが政府の目的であるのなら、コロナ禍ではこれまでのセコい考えを改めて、逆転の発想で財政政策を進める必要がある。10万円では効果が無いのではなく、効果が有っても見えない。効果が見えるようになるまで諦めないことこそが必要だと思う。

 掘り進めていけば金脈にぶつかるのに、少し掘っただけで「ダメだ」と諦めるのは早計であり愚の骨頂だと言える。是非、諦めずに掘り進めていただきたいと思う。

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posted by 自由人 at 11:08 | Comment(2) | 政治
この記事へのコメント
概ね好意的に読ませていただきましたが、何しろ麻生大臣がひどすぎます、この人に国の財政を任せてはいけません、小学生以下です。

一点だけ
>10万円支給されて10万円以上使う人が大多数でない限り、貯金は増えることになる。

これは間違いですね、使えば使うほど受け取る人が増えるだけです、
お金は無くなりません、大臣が預貯金が減る事を望むなら、お金を燃やす以外に方法はありません、お金は無くなりません。

10万貰った人が20万使えば受け取る人が増えるだけです、
仮に100兆円の公共投資を行えば100兆円の預貯金が増えるだけです。
Posted by 大塚義久 at 2020年10月25日 19:00
大塚義久様

>お金は無くなりません、大臣が預貯金が減る事を望むなら、お金を燃やす以外に方法はありません、お金は無くなりません。

 お金が無くならないというのは理解できますが、ここで述べているのは、そういう貨幣論ではなくて、あくまでも個人の預貯金額のことです。
 例えば、100人の人が100万円ずつ預貯金していた場合、そこに10万円ずつ振り込まれれば、預貯金はそれぞれ110万円ずつになります。その場合、全員が10万円を使用すれば、預貯金額は100万円になります。
 「大多数」と書いたのはアバウト過ぎたかもしれませんが、要するに、全員が10万円以上使用しなければ、100人の預貯金額の総合計額は増えることになるという、単純な話です。
Posted by 管理人 at 2020年10月25日 20:21
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