■「Go TOトラベル政策」の目的とは?
新型コロナウイルスの感染流行によって中国人旅行客が激減したため、日本の観光業が壊滅的な打撃を受けている最中にある。現在の状況を以前の状態に戻すとなると、中国人旅行客が日本に戻ってこない限り不可能に近い。それで、少しでも国内の旅行客を増やすために考えられた政策が「Go TOトラベル政策」だった。これは観光業のハードランディングを回避するための政策でもあったが、なぜか本丸の東京は対象から除外され、旅行キャンセル料金も全て政府が肩代わりするというマッチポンプ的な政策になってしまった。
ドタバタ劇が続いたせいか「Go TOトラベル政策は失敗する」と言っている人もいるようだが、その失敗の定義は、なぜか「感染者が増加すること」になっている場合が多い。しかしながら、本来の失敗の定義は「旅行客が減少すること」でなければおかしい。なぜなら、「Go TOトラベル政策」はコロナ感染者を減少させることを目的とした政策ではなく、旅行客を増加させることを目的とした政策だからである。
なるほど「Go TOトラベル政策」を実施すれば、確かにコロナ感染者は幾分か増加するだろう。しかし、それは始めから分かりきっていることであり、わざわざ「感染者が増加して失敗するだろう」と予言するようなことではない。
こう言うと、「感染者が増加すれば、その後、旅行客が減少して失敗になるではないか」と言う人がいるかもしれない。
では、どうすれば、旅行客を増加させることができるのか? コロナ感染者が0になれば、旅行に行く人も増えると言うのだろうか?
しかしながら、感染者が0になるのを待つまでもなく旅行をしている人は大勢いる。それらの人がコロナに感染したとしても「Go TOトラベル政策」とは無関係だ。「Go TOトラベル」を利用して旅行した人と、「Go TOトラベル」を利用せずに旅行した人、この両者には何の違いもない。どちらもコロナに感染する可能性はある。ということは、「Go TOトラベル政策は失敗する」というのは、結局のところ、「旅行は失敗する」と言っているのと同じことになる。
■危機的状況下では「建前」よりも「本音」が優先される
「Go TOトラベル政策」というのは端から「苦肉の策」であり、「ウィズコロナ」への橋渡し政策という側面を持っている。「背に腹は変えられない」という言葉の通り、「感染者の増加」と「日本経済の崩壊」を秤にかければ、後者の回避を選択するしか手段がないのである。
このことは世界全体を見渡してみても明白だ。日本の100倍以上の感染者や死亡者を出している国々でも、始めは感染者の減少を最優先事項としていたが、今となっては、こぞって自国の経済の復活を最優先事項に掲げている。危機的状況は行き着くところまでいくと、「建前」は「本音」には絶対に勝てない。「建前」が通じるのは、平和な時だけであり、本当に国(国民)の命運に関わってくるとなると、「本音」を前面に出すしか生き残る手段が無くなってしまうからだ。
もし、感染者が0になるまでロックダウンを解除しないというような建前を優先する国があれば、その国は必然的に終焉を迎えることになる。これが理解できないような指導者はいないと思う。コロナに感染して少数の国民が死亡するのではなく、ロックダウンという無策によって経済崩壊を招き、多くの国民が死に絶えることになる。
コロナ問題の行き着く先は最初から決まっている。落としどころは「ウィズコロナ」、残念ながら、特効薬が出来ない限りこれしか選択肢がない。そして、特効薬が出来る可能性は極めて低い。ワクチンが出来たとしても、全く同じ型のコロナウイルスでない限り、ワクチンとしては機能しないので、これもまず不可能に近いと思った方がいい。
そういうリアリスティックな視点に立てば、何か策を打たない限り、この現状を変えることはできない。今後何年間も、感染者が0になるまで動かないというのは、「座して死を待つ」ことを意味している。
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2)NZや台湾、今の韓国などを期待値として同様な状態であれば(実際にはゼロでなくても発覚したら追って潰せる状態であれば)より効果は大きいのではないか?という状態と比較して成功・失敗と言っている?
第1波の「全員自粛強要」も違和感があったが、現在の「座して死を待てない」ので経済再開も策としては???
この14日後位に「重傷者も死亡者も増えない」という結果が出れば考えもか張るかもしれないが・・・・
今回の政策の目的は、旅行業会および周辺業界の収入増。
実施に伴うリスクは感染拡大。
感染拡大したら、政策は失敗。