2020年07月11日

「民主」というあやふやな言葉


■「民主主義」とは何か?

 誰もがご存知の通り、社会主義国家として有名な3国の正式名称は以下のようになっている。

 ソ連・・・・・ソビエト社会主義共和国
 中国・・・・・中華人民共和国
 北朝鮮・・・・朝鮮民主主義人民共和国

 ソ連の頃は国名にも律儀に「社会主義」と付されていたが、現代の北朝鮮に至っては、なぜか「民主主義」となっている。独裁者の君臨する国が「民主主義」を名乗っているわけだから、これは誰が考えても不自然だと思う。

 北朝鮮が「民主主義」を名乗っているのは悪い冗談だが、今回はそのことは取り上げない。代わりに、我々日本人が理解している「民主主義」とは、一体、何を意味しているのかを考えてみたいと思う。

 「自由民主党」「立憲民主党」「国民民主党」、はては、かつての「民主党」、日本では多くの政党がこぞって「民主」という言葉を使用している。この「民主」とは何を意味しているのだろうか? 普通に考えると「民主主義」の「民主」ということになるのだろう。

 では、「民主主義」とは何かと言うと、平たく言えば「独裁主義」の反意語だ。国の政治を独裁者が決定するのではなく、国民が決める。それが民主主義の基本だが、その「国民」とは、1人1人の個人ではなく、「国民の総意」のことを意味している。
 「民主主義」とは国民1人1人の個別意見を重要視するという意味ではなく、全ての国民の意見の総意を政治に反映するという考えであり政治システムのことを意味している。つまり、「民主主義」と言っても「個人主義」とは対極にある「全体主義」的な政治思想であるとも言える。

 しかし、多数派の国民が全てを決定するということを意味しない。仮に半数以上の国民があること(例えば、NHKの民営化や国営化)を願っていたとしても、それは直ぐさま実現しない。あくまでも決定権を有しているのは国民によって選ばれた政治家達であって、国民ではない。これを間接民主制と言うが、良くも悪くも実によくできた制度だ。「民主」と聞けば「国役」と思ってしまいがちだが、あくまでも国民は従者であり、国民の声はあくまでも参考意見にしかならないということ。

 政治家が国民に対して「NHKの民営化や国営化に賛成ですか?」と問うようなことはしないし、できない。なぜなら、それを行うと直接民主制になってしまうから。

■「民主主義」と「民衆主義」

 「民主」という言葉はあまりにも漠然としているので、これまでにも様々な誤解を生んできた。漠然とし過ぎているために「社会主義」を「民主主義」だと偽っても、多くの人は気が付かない。
 最近では、「リベラル」という言葉も「自由主義者」と「社会主義者」の両方の意味で使用されているが、「民主主義」という言葉も、「社会主義」や「共産主義」という意味で使用されている場合がある。

 そう考えると、「民主」という言葉は「民衆」とした方が良いのかもしれない。「国民が主役」の短縮形ではなく、ズバリ「民衆」という一語にする。その方が具体的であるし、馴染みやすいと思う。

 ついでに、「民主主義」も「民衆主義」とした方が良いのかもしれない。

 「朝鮮民主主義人民共和国」が「朝鮮民衆主義人民共和国」なら、多くの人が「えっ!?」となるが、「民主」という言葉にすると途端にボヤけて分からなくなり疑問を抱かずに素通りしてしまう。

 「民主」という言葉を「民衆」に置き換えてみると、先の政党名は以下のようになる。

 「自由民衆党」「立憲民衆党」「国民民衆党」そして「民衆党」

 この方が具体的でスッキリするかもしれない。

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posted by 自由人 at 09:37 | Comment(0) | 政治
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