2020年05月14日

「テレワーク」という名の自宅待機


■急場しのぎの「テレワーク」は機能しているか?

 当初、5月6日までと予定されていた「緊急事態宣言」は継続されたが、東京や大阪等の大都市圏を除いた地方の39県については、5月14日に一応、解除された。

 東京や大阪の場合、5月一杯は「緊急事態宣言」が継続されることになるので、テレワーク等の業務形態もそのまま継続されることになるのだろうか。

 しかし、急場しのぎの「テレワーク」化が、はたしてどれだけまともに機能しているのかは、甚だ疑問ではある。

 4月の段階での各企業の姿勢を想像するに、「世間ではコロナ、コロナと騒がれているし、ゴールデンウィーク明けまでの出勤日数は限られているので、取り敢えず、連休明けまでは自宅待機してもらって様子を見てみよう。しかし、自宅待機ではイメージが悪くなるので「テレワーク」ということにして、たまに業務連絡をして、自宅でできる簡単な仕事だけやってもらうことにしよう…」

 こんな感じの会社は結構多かったのではないかと思う。実質的には「テレワーク」と言うよりも「電話番」としての「自宅待機」に近かったのではないだろうか。
 企業からすれば、「自宅待機」にして「休業扱い」にすれば、国から雇用調整助成金も支給されるので、一挙両得だろうし、「ウチの会社はちゃんと新型コロナ対策をしていますよ」と世間にアピールすることもできる。

■「テレワーク」する環境が用意できるか?

 実際、今年入社の新入社員でも、未だに自宅待機になったままという人も多いと聞く。新入社員の場合、仕事のノウハウ自体が無いので「テレワーク」というわけにもいかない。
 全く出勤せず(休業扱い)とも給料の何割かは支給されるそうだが、それも国から支給される雇用調整助成金で賄っているのだろう。今のところ、6月一杯までは支給されることになっているが、その先はどうなるか分からない。

 「テレワーク」をする場合、自宅にパソコン環境が有ることが必須条件になると思われるが、会社のパソコンを持って帰るのは一苦労だろうし、自宅に業務用プリンターを置いている家庭などほとんど無いだろう。
 最近では、スマホ用のネット環境(Wi-Fi)はあっても、パソコンが無い家も増えており、仮に有ったとしても、趣味で使用しているパソコンで重要な仕事のデータを扱うのはセキュリティ的にも問題となる場合がある。サブスクアプリが主流となっている現代では、業務用のアプリケーションも自宅に有るとは限らない。

 それに、1日8時間も自宅で仕事するとなると仕事机(パソコンラック)や椅子等も必要になってくる。そういったものを置く場所も無いという人もいるだろうから、「テレワーク」なんて端からできないという人も多いのではないかと思う。



■「テレワーク」とは「電話仕事」のことではない

 「テレワーク」をスムーズに進められる人というのは、コロナ問題が起こる以前から、会社での仕事環境と同じような環境を既に自宅で構築できているような人だけではないかと思う。パソコンやプリンター、アプリ等、普段から会社の仕事を自宅に持って帰ってするくらいの人であるからこそ、スムーズに「テレワーク」化できるのであり、「プライベート空間である自宅で仕事なんてできるか」というような人には「テレワーク」は向かないのではないかと思う。

 能動的に仕事を行う人であれば、自己投資の一環で元から自宅が仕事空間になっているという人は多い。逆に仕事を受動的にしか行わない人は、「仕事は会社でしかしない」という人が多い。
 この両者の違いは大きい。前者の「テレワーク」と後者の「テレワーク」では、同じ「テレワーク」でも意味が違ってくる。

 「テレワーク」の「テレ」は「離れた所」という意味だが、「テレフォン(電話)」のことだと思っている人も多いのではないかと思う。
 テレビ番組で、「テレワーク」「テレワーク」と何度も放送していると、一般の人には、電話やスマホさえあれば仕事ができるというような錯覚を与えてしまう。
 しかし、本来の「テレワーク」とは「遠隔地(自宅)での仕事」のことであり、会社と同じ仕事が自宅でできない限り、それは「テレワーク」であって「テレワーク」ではない。

 「テレワーク」をしているつもりが、実は「自宅待機」だったという人は案外多いのではないだろうか。


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posted by 自由人 at 22:43 | Comment(0) | 社会問題
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