2020年03月22日

新型コロナウイルス終息で生まれる「ノーモア中国」


■ミクロ経済学者としての「AI(人工知能)」

 新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中の株式市場が暴落した。当初、全く我感ぜずだったニューヨーク市場まで急落することになり、それに連られる形で日本の株式市場も急落した。
 ここまでの鋭角的な急落チャートは滅多にお目にかかれないと思われるが、まさにオーバーシュートと呼ぶに相応しい。実体よりも大きく乖離したチャートを描いた原因は、AI(人工知能)任せの取引にあるのかもしれない。
 AIは感情が無い分、平常の株式売買では有利に働くことが多いが、こういった異常時には、感情が伴わないことが逆効果になってしまう厄介な代物なのかもしれない。

 当初、新型コロナウイルスのリスク判断が全くできなかったAIが、一度、そのリスクを認識すると、パニックに陥った人間以上に危険な行動に出てしまう。人間で言えば、我を忘れて投げ売りしてしまうという行為をAIが行えばどうなるか? その答えが今回描いた前代未聞の急落チャートに現れているような気もする。小さなリスクを避けるために躊躇することなく取った行動が、さらに大きなリスクを生んでしまうという矛盾。経済学で言うところの「合成の誤謬」がAIには理解できない。そういう意味で、AIはマクロ経済を理解できないミクロ経済学者であるとも言える。個人の利益を最大化し、個人のリスクを最小化することには長けていても、そういった行動が全体(マクロ)としての経済を悪化させるということが理解できない。

 今回の新型コロナウイルス事件によって、世界中では2つの大きなリスクが顕在化した。1つは、もちろん、中国と深く関わることによるグローバルリスクであり、もう1つは、人間生活をAIに任せることのリスクとも言えるだろうか。そして、そのAIの最先進国というのが、これまた中国ときている。まさに、中国リスクがダブルで顕在化した事件、それが新型コロナウイルス事件だったとも言える。

 世界中の人々は、まるで国交を断絶するかの如く、表面的な意味では反グローバリズムの姿勢を見せているが、今回の事態が収束した後には、「ノーモア中国」という思想が世界中を席巻するかもしれない。

■「NYダウ」と「日経平均株価」の乖離率の縮小が意味するもの

 ところで、アメリカのNYダウと日経平均株価を観ていると、ある変化が生じてきたことに気付かされる。それは、これまで(単位は違うとはいえ)5000以上の開きがあった乖離率が小さくなってきたということ。2月中旬まで5000以上の開きがあったものが、現在では3000以下にまで縮小している。

NYDOW&NIKKEI20200322.png
(ヤフーファイナンスより転用)

 これは何を意味しているのだろうか?
 1つ言えることは、日本株については下げ止まり感が出てきたということ。特に日本の場合、日銀がETF購入を年間6兆円から12兆円にするといった発表もあり、日銀が安定株主として底値を下支えする格好が明確化してきている。
 昨年(2019年)の東証1部の時価総額が5兆ドル(500兆円)程度なので、12兆円というのが如何に大きいかが分かる。500兆円中、12兆円なら大したことはないと思う人がいるかもしれないが、市場に流通している株式(浮動株)ははるかに少ない。NTTを例にすれば、浮動株が3割程度であり、東証1部全体ではもっと低くなる。

 ところで、日銀が市場に介入し過ぎるのは良くないという意見がある。その理由は市場を歪めるからというものだが、では、現在のオーバーシュート気味の市場は健全だと言えるのだろうか? 新型コロナウイルスによるパニック売りが市場原理に適っていると言えるのだろうか?

 個人的には日銀の市場介入は正しいと思う。社会主義的だと揶揄されたとしても、オーバーシュートして市場原理が機能しなくなった歪んだ市場を矯正するという意味では正しいと思う。日本の株式市場がバブルと言う人もいるが、PBRが0.8倍の株式市場というのは、企業価値がまともに評価されていないということを意味しており、決してバブルとは言えない。



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posted by 自由人 at 11:34 | Comment(0) | 社会問題
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