2020年01月25日

楽天は「送料無料」にするべきなのか?


■ワークマンの楽天市場からの撤退

 楽天が、合計3,980円以上の商品を購入した場合に限り「送料無料にする」と発表したことで楽天出店者の一部から苦情が出ていたが、ここにきて、作業服店のワークマンが「楽天市場から撤退する」と発表した。

 こんな騒動になるのも、楽天のライバルであるアマゾンが2,000円以上の買物をすると送料無料になるという商売をしているからなのだろう。
 プライム会員なら2,000円に満たなくても送料無料になるので、3,980円で送料無料にしても競争にならないとも思える。しかしながら、楽天とアマゾンではビジネスモデルが違うので、出店者から苦情が出るのは仕方がないとも言える。

■アマゾンと楽天のビジネスモデルの違い

 アマゾンは出店企業から商品を大量に購入し仕入れて(※)、自社で商品在庫を抱えて販売するというビジネスモデルなので、送料は基本的にアマゾンが負担することになる。
 一方、楽天の場合は、基本的に商品在庫を抱えることなく、商品の売買は各出店企業が行うというビジネスモデルなので、送料も各出店企業が管理することになる。(だから出店者によって送料はバラバラ)
 在庫を持つか、在庫を持たないかという違いが、サイトの分かり易さにも現れているが、商売をする上ではアマゾンよりも楽天の方がリスクの低いビジネスモデルになっている。

 在庫を持つ業者在庫を持たない業者、それがアマゾンと楽天の大きな違いなので、送料の上げ下げの自由度は全く違う。アマゾンはいつでも自由に送料の上げ下げができるが、楽天の場合は、出店企業の意向も無視できないという不自由さがある。

 楽天側からすれば、「アマゾンが2,000円で送料無料にしているのだから、その約2倍の3,980円なら受け入れるべきだろう」というのが本音だと思うが、ビジネスモデルが違う(送料を負担するのは出店企業になる)ので、苦情が出るのは仕方がなく、どうしても話し合いが必要になってくる。

■問題の根源は「送料無料ビジネス」が根付いたデフレ社会

 ここ数年、破竹の勢いで急成長して知名度が上がり、株価も鰻登りに上昇してきたワークマンなら、別に楽天市場を経由しなくても自社の販売サイトで管理すればいいだけの話なので撤退することもできるが、一般の中小出店企業ではそういうわけにはいかない。

 結局、この問題は「送料を誰が負担するのか?」という単純な問題に行き着いてしまうが、そういう問題が俎上に上るのは「送料無料ビジネス」が当たり前になってしまったからだとも言える。

 アマゾンの場合の「送料無料」は、実質的には利益を削って「送料込み」で販売するという薄利ビジネスモデルということになるが、楽天の場合は、利益を削るのが出店企業側になってしまう。

 利益を削れば、どこかにしわ寄せがくる。楽天市場だけに限って言えば、楽天と出店企業間の問題のみに収まるが、どんな商売でも利益を削ることによるしわ寄せは、巡り巡って日本社会全体に波及することになる。

 本当に問題視しなければいけないことは、1円でも安い商品を検索して1円でも安く購入することが絶対的に善しとされる現代のデフレ社会なのかもしれない。特に日本は欧米と違って、チップを出すというサービス文化が根付いていないため、カツカツの薄利だけで商売しなければいけないという息苦しさがあるので尚更だと言える。

※文中、誤解を招く記述がありましたので、訂正しました。
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posted by 自由人 at 15:42 | Comment(0) | 経済
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