■『株の鬼100則』を読んで
年初に2万円の大台を割れた日経平均株価が、約1年ぶりに23000円にタッチしたこともあり、株式投資に少し注目が集まっているのか、書店の株式投資関連コーナーにも多くの本が平積みされていた。
私もこの連休中に、たまには株式投資の本でも読もうかと思い、1冊だけ購入して読んでみた。
タイトルは『株の鬼100則』(石井勝利著)。著者は投資歴45年以上のベテランで年齢は現在80歳。複数のペンネームを持ち著作は300冊以上に及ぶらしい。
45年間の投資生活で培った投資哲学とはどんなものなのか興味深く読ませていただいた。
著者は、企業のPERやPBRはあまり重要視せず、主にテクニカル(チャート)で判断する投資スタンスを取っているとのこと。
実際、現在の株式市場は企業業績と株価が連動しないことが多い。決算が良くても大きく下がることがあるし、ニューヨークダウが暴落すれば、日本市場も個々の企業業績に関係なく、ほぼ全ての銘柄が売られるので、業績だけに拘ってもあまり意味があるとは思えないこともある。
世界全体のファンダメンタルズ的なことも書かれていたが、基本はテクニカル分析がメインの本と思えた。
■株式投資で絶対に勝てる方法
著者はこう述べている。
>「間違いなく儲かる」と唯一断言できるのは、個別銘柄の事情ではなく、相場全体が崩れた時の「買いチャンス」だ。
>株式投資で「絶対に勝てる方法があるか」と聞かれれば、「ある」と断言できる。しかし、それは誰もがやりたくない、できない方法でもある。
要するに、暴落時の底値で買う勇気があれば勝てるということなのだろうけれど、これは私も同意見だった。
著者は2016年のトランプショックでトヨタ株を買って儲けられたそうだが、私もトランプショックでホンダ株を買って少しだけ儲けさせてもらった。
誰もが逃げ腰で買えない時に買う勇気は、確かに最も重要な要素なのだと思う。
■「馬鹿になって買う」とは?
誰もが買えない時に買うことを、俗に「馬鹿になって買う」と言う。株式投資において馬鹿になることは非常に重要な要素だと思うが、「馬鹿になって買う」にも2種類ある。
その2つとは、
1、騰がり調子の株を天井で馬鹿になって買う
2、下がり調子の株を底値で馬鹿になって買う
この2つは大きく違う。
両者の大きな違いは“恐怖感”の有無だと言える。
株価が天井知らずに騰がっている時に買い向かうのには、それほど勇気を必要としない。誰でも勢いで買いを入れることができる。
しかし、株価が底抜けて下がっている時に買い向かうのには、それなりの勇気が必要になる。その勇気とは、恐怖を克服する勇気だ。
そこで必要なことが恐怖感を忘れて「馬鹿になって買う」ということでもある。つまり、「馬鹿になる」とは「冷静になる」という意味。
ただ「馬鹿になって買う」のではなく、恐怖感を克服するために感情を捨てて馬鹿になるということ、これが実に難しい。
著者もこう述べておられる。
「それができるかどうかは、ひとつマインドの問題なのである。」
------------------------------------------------------------------------------------------
スポンサーリンク

にほんブログ村
【株式投資の最新記事】