■同じ風景に見える「古墳」の難点
ユネスコの世界遺産委員会は、7月6日に大阪の「百舌鳥・古市古墳群」を正式に23件目の世界文化遺産に登録することを決定した。
これは日本および大阪の地元の人々にとっては喜ばしいニュースであり、日本の古墳が世界文化遺産に登録されることには疑問を差し挟む余地はない。しかし、少し気掛かりなのが、世界中から訪れるであろう観光客にとっては少し問題かな…と思える部分がある。
実際に現地に行ったことがある人なら解ると思うが、古墳というものは上空から見下ろさない限り、古墳には見えないという難点がある。
古墳の外堀は泥沼のような池になっており、古墳の中には法律的にも物理的にも立ち入ることができないという縛りがある。
ゆえに、観光客が訪れて写真を撮影するにも、アングル的には、横から観た森かジャングルのような風景しか撮ることができないので、通常の世界遺産とは少し趣きが違うと感じる人が多いのではないかと思う。
実際に、私自身も堺市の『仁徳天皇陵』の周囲を徒歩で1周したことがあるが、見える風景はほとんど変わらなかった。
■観光客にとっては「三重難」の古墳
テレビや雑誌で紹介される時は、ヘリコプターから撮影された上空写真が用いられるので、どこか神秘的なものを感じることができるのだが、横から観ただけでは、鬱蒼とした森か低い山という感じにしか見えないのが残念なところだ。この辺は、「群盲象を撫でる」が如くで、横から観ただけでは古墳の実体は掴めない。
今はドローンなどもあるので、(宮内庁が禁止していなければ)一般人でも上空から観た写真は撮影することができるのかもしれないが、肉眼では直接的に古墳の形を見ることはできない。
ピラミッド、万里の長城、自由の女神像、富士山などと違って、古墳というものは全景を見ることができず、全景を写真に収めることもできず、立ち入ることもできないという観光客にとっては三重苦(三重難)のような謎めいた遺産でもある。
上空から見下ろして撮影できるような建物は景観を損ねるという意味でも建造できないと思うので、観光客向けにドローン撮影でもできるようなサービスを付加した方が良いかもしれない。
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