2019年05月07日

天皇の存在理由(レーゾンデートル)とは?


■条件次第では「万世一系は虚構」でも構わない

 前回の記事で、「万世一系は虚構」とのコメントを頂いた。BLOGOSの転載記事にも似たようなコメントが見られたので、この件で少し補足記事を書いておこうと思う。

 それ以前に、「天照大神は女性なので、女系では?」という意見があったが、原初は男性でも女性でも構わない。それが男女差別ではない証拠だとも言える(むしろ女性優位とも言える)ので、これについてはこれ以上は書かない。

 本題の「万世一系は虚構」の方を述べると、これは確かにその可能性は有ると思う。血縁に繋がりが有るという説に嘘が無いことを信じたいが、それは残念ながら判らない。
 実際、現代に生きている人間でも自分自身の血縁がどこでどうなっているかなんて分からない。先祖代々などと言っていても、諸々の事情で先祖の血は入っていないというようなケースは多々ある。

 そういったことが天皇家には無かったと信じたいところだが、残念ながらそれは誰にも証明できない。ついでに言うなら、有ったということも誰にも証明できない。

 しかし、歴史的な文献であっても、はたしてどこまで真実かは分からない。文献というものは如何なる大著であったとしても、ドライブレコーダーや隠しカメラのように24時間の出来事が全て記録されているわけではない。
 評伝や自伝でも、読者の知ることができるのはほんの一部でしかない。その人物が心の中で何を考えていたか、全てを知ることは不可能であることは、よく考えれば解ることだと思う。血縁が100%正しいと証明できないのと同様に、文献も100%正しいとは証明できない。

■最も重要なことは、天皇の「威厳」

 「それでは、天皇の血筋を証明できないではないか!」と言う人がいるかもしれない。その通り、しかし、それでいいと思う。大体、血筋だけで人間が決まるというなら、それこそ差別だということになってしまいかねない。

 では、何が重要なのかと言うと、最終的には「国民に対して威厳を保てるかどうか」ということ。
 天皇=日本教に必要不可欠なのは、目に見えない高貴で崇高な価値であり、そういったものが観念的に理解できない人には、「血縁」という方便を用いる必要が有るので、「男系」に拘らなければならなくなっているということだろうと思う。

 万人が天皇という存在を受け入れるためには、目に見える形としての「男系」が必要になっているというだけで、仮に「血縁」が無かったことが科学的に証明されれば天皇を辞めなければならないのかと言えば、そんなことはない。国民に対して威厳を保てている天皇であれば、辞める必要は無い。

 重要なことは、天皇の存在が見えない規範となって国民を律する存在と成り得るかどうか。そこがキーポイントになる。

 GHQが天皇制を廃止することをなぜ恐れたのか? その理由を考えれば、天皇の存在理由(レーゾンデートル)が見えてくる。それは「血縁」でもなければ「男系」でもない、天皇の「威厳」、それこそが日本人にとって最も重要な価値の1つだった。しかして、そのことを万人が理解するためには、「男系」である必要があるということ。



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posted by 自由人 at 23:47 | Comment(0) | コラム
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