
■「コオロギ食」は多様性の問題か?
コオロギ食の是非は社会問題となり、様々な人がその是非を論じているが、生物学者で評論家の池田清彦氏の発言も注目を浴びている。なぜ注目を浴びているのかというと、珍しくコオロギ食を否定していないという点で。
ツイッターで有名な女性インフルエンサーの南雲香織氏との論戦(?)が興味深い(下記参照)。
食糧危機を前提としているのに、米や大豆を栽培するのではなく、昆虫で食の多様性を増やそうとしていることに疑義を抱いているのです。また、欧州でも同じような動きがありグローバリズムの外圧による政治的な動きに懸念を感じています。「食べなければ良いだけ」という単純な話ではないのです。 https://t.co/rWB3HUBrpS
— 南雲 香織 - Kaori Nagumo (@nagunagumomo) March 24, 2023
池田氏は、最近の著書でも舌鋒鋭く、社会の矛盾点を指摘されていたので少し注目していたのだが、なぜかコオロギ食については、どっち付かずの意見を貫いておられるようだ。
■「食べたくない人に食べろという権利は誰にもない」
池田氏は『SDGsの大嘘』でグローバル資本主義を批判し「脱炭素はペテン」とまで言われているのに、SDGsを推進しているのと同じ勢力がコオロギ食を推進していることは御存知ないのだろうか?
池田氏には『コオロギ食の大嘘』も書いて欲しいところだが、「食品の多様性」を前面に出し、コオロギ食をゲテモノ食いと同じ範疇で考えておられるところをみると、あまり期待できそうにない。多分、軽い気持ちで東南アジアのコオロギ食に言及したことに起因(藪蛇)しているのだろうけれど。
池田氏は「コオロギも豚肉も、食べたい人に食べるなという権利は誰にもないのです。」と言われているが、その通り(菜食主義者やヴィーガンには言う権利は有ると思うが)。しかし、逆に言えば、「食べたくない人に食べろという権利は誰にもない」。
ところが、現在のコオロギ食は、給食のメニューに入ってしまっている。給食のメニューは、学生達が選べるわけではないので、池田氏の言に従うと、「食べたくないなら残せ」ということになってしまう。多くの生徒が食べ残すことが分かりきっているようなものを、給食のメニューに入れることは何の問題も無いと言うのだろうか?
食料危機を煽り、食料の大切さを謳う世の中で、給食を食べ残すことがノープロブレムと言うなら、その風潮こそが「偽善」と言うに等しい。
■南雲香織氏はAIではない。
池田清彦氏のことだけではアンバランスなので、この機会に南雲香織氏にも少し触れておこうと思う。
最近、「反ワク」の世界で頭角を現してきた南雲香織氏に対して、その言論を止めさせようとネガティブな書き込みや意見が多くなってきた。
中には、南雲氏がAIだと言っているような人もいる。「コロナ脳」の一般人だけでなく、世間では陰謀論者と言われている人まで「南雲氏はAI」と言っている人がいるのには呆れた。
彼女がAIと言われる理由は、投稿時間が決まっていることと、プロフィール画像がCGであることの2点のみ。しかし、予め投稿時間を指定すれば決まった時間に投稿できるだろうし、一般人がプロフィール画像に本物の自己写真を使用する方が珍しいことだ。プロフィール画像だけでなく、名前もおそらく偽名だろう。そんな当たり前のことも分からないのだろうか?
南雲氏の書かれた文面を読んでも、明らかに1人の個性で統一されており、誤字や脱字もあるし、ネタで皮肉を書いたり、フィクションを書いたりもしている。これが全てAIだと?
現代人はAIというものを買い被りし過ぎであり、AIが少し人間らしく(アバウトに)振る舞うことができたとしても、人間そのものになれるわけではない。
「南雲香織はAI」などと宣っている人は、少し人間性を疑った方が良いと思う。
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