■現代版「禍を転じて福と為す」経営
政府による飲食店への休業要請に従わず、営業を続けていた「グローバルダイニング」が今年前半期の決算を発表した。結果の方は、売上高が前期比92.3%増の47億円、純利益が5億円の黒字となった。
前期は9億円の赤字だったので、見事にV字回復を果たした格好となっている。これぞまさしく現代版「禍を転じて福と為す」経営の見本だと言えるだろうか。
競合他社が政府の命令に従い次々に営業を停止してしまったわけだから、その飲食店の客が営業している飲食店の方に流れ込むのは当たり前。喩えて言うなら、林立するコンビニの多くが閉店になる中、1店だけ開いているコンビニがあれば、客が激増し、売り上げは飛躍的に騰がるだろうことは火を見るより明らかであり当然の帰結だと言える。
■政府とグローバルダイニング社のどちらが評価されるべきか?
そうは言っても、グローバルダイニング社には良いイメージを持たない人が多いかもしれない。長い物に巻かれようとせずスタンドプレイを行ったかに見えるグローバルダイニング社は、コロナ感染に拍車をかけるかもしれない危険な橋渡りをしたので認められない!…という具合に。
しかし、そういう判断をするのは、あまりにも早計だと思う。
飲食店が営業しないことで本当にコロナ感染を絶対的に抑制できるというなら、グローバルダイニング社が批判されるのも仕方がない面もあると思うが、実際のところは、飲食店の休業や時短がコロナ感染防止に役立っているという明確な証拠は無い。実際にこの間(かん)、グローバルダイニングで飲食をしてクラスターが発生したわけでもなく、感染者が出たという報告もない。
感染が必ず抑制できるという確信も保証もないまま、飲食店を営業停止にすればコロナ感染が抑制できるという甘い見積もりで、多くの飲食店に塗炭の苦しみを与え、結果的に、別の理由でコロナ感染が激増したということであれば、責められるべきはグローバルダイニング社ではなく、政府の方だと思う。
黒字になると言って赤字になったかのような政府と、赤字だった会社を黒字に変えたグローバルダイニング社、どちらが評価されるべきかは考えるまでもない。
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