2020年06月20日

新型コロナウイルスが齎す「働き方改革」


■「特別雇用調整助成金制度」の延長が齎すもの

 日本では6月に新型コロナウイルス(第1波)がほぼ終息したものの、多くの企業がコロナ禍による「特別雇用調整助成金制度」を利用しており、6月一杯は半休業状態である企業が多い。そのせいもあるのか、人が動いていない分、全体的な仕事量は減少しており、通常の勤務体制では時間を持て余す企業が多くなっている。おそらく一般的な企業では、仕事量が2割〜4割は減少しているものと思われる。これまで残業続きだったような人は定時帰りとなり、これまで定時帰りだったような人は、半分遊んでいるような状態かもしれない。

 この遊休状態を抜け出すためには、仕事を発注する大元の企業が率先して半休業状態を脱皮していく必要があると思われるのだが、周知の通り、政府は、6月30日までの予定だった「特別雇用調整助成金制度」を、9月30日まで延長した。

 現状、中小企業や下請け企業のセーフティネットとして、制度の延長はやむを得ないとしても、大企業や景気の良い企業まで同じように、この制度を利用し続けると、下請け企業や景気の悪い企業も同じように、いつまでも休業状態を維持しなければいけなくなる。

 もしこのまま日本の多くの企業が9月一杯まで「特別雇用調整助成金制度」を利用し続けるとなると、それが終了した10月頃には、少し気候も涼しくなってインフルエンザの流行と重なるように新型コロナウイルスの第2波が来るかもしれない。そうなると、政府はまた12月一杯まで延長し、12月になってもコロナが収まらないようだと、また3月まで延長と、延々とこの繰り返しになる可能性がある。

■新型コロナウイルスによる「働き方改革」の是非

 このままいくと、そうなる可能性は否定できないと思われるが、政府もいつまでも延々と補助金を出し続けるわけにもいかない。ある程度までは増税せずとも可能だろうけれど、許容範囲を超えてくると日本の官僚が大増税を言い出す可能性もある。

 そうならないためにも、「特別雇用調整助成金制度」を利用しつつも、徐々に経済活動を元に戻していく必要がある。今年中には、コロナ感染リスクを受け入れ、元通りの生活に少しでも近づけるようにしていく必要がある。

 もし、それができないということなら、経済縮小を受け入れざるを得ず、企業の勤務体系そのものを抜本的に見直す必要に迫られることになるだろう。1日5時間労働週休3日制、こういった企業が多くなると思われる。と言うよりも、そうするしか方法がなくなるだろう。物理的に仕事の総量が減少することによるワークシェアリングが不可避になれば、当然、収入も減少することになる。

 これまで馬鹿高い給料を維持するために、下請け企業のコストダウンで帳尻を合わすことしか考えてこなかったような企業は、自社の痛みを伴う改革を余儀無くされることになるだろう。コストダウンするべき下請け企業が無くなれば、当然そうなる。それは、結局のところ、同一労働同一賃金の導入を余儀無くされることを意味する。

 政府の「働き方改革」では実現不可能だった「同一労働同一賃金」が、新型コロナウイルスによって成就される可能性が有るとは、なんとも皮肉な話だが、このままコロナ感染リスクをいつまでも受け入れることができなければ、これまでの歪んだ日本の労働スタイルが音を立てて一気に崩れ落ちる可能性がある。

 新型コロナウイルスによる「働き方改革」、それは、ひょっとすると、良いことであるのかもしれない。


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posted by 自由人 at 06:56 | Comment(0) | 経済