2020年03月01日

安倍総理の「自粛策」は功を奏するか?


■批判的な空気を一転させる「賭け」

 ちょっとした報道で、特需が発生して、商品が売り切れになるという事態が続いている。マスクにティッシュにトイレットペーパー等、情報の真偽に関係なく、いとも容易く特需が発生する。マスメディアの報道次第で、景気などはいくらでも調整できるのかもしれない。
 個人のブログなどは、ほとんど何の影響力も持たないが、巨大なマスメディアの影響力は甚大だ。そう考えると、その影響力をもっと良い方向に使用してくれれば、景気を良くすることも簡単にできてしまうだろうに…と思ってしまう。

 ところで、安倍総理が公立学校の休校を要請したことで、世論が大きく揺れている。あまりにも急な事態を受けて、教育現場ではテンヤワンヤとなっているようだ。
 一足早い春休みになるせいか、食料品を買いだめする人も増えており、インスタントラーメン等は売り切れの店もあるらしい。

 果たして、この判断は与党にとって、いや、日本にとって、吉と出るか凶と出るか? それは、もう少し時間を経なければ誰にも分からない。しかし、考えようによっては、これは非常に大きな賭けに出たなとも思える。

 それはどういうことかと言うと、このまま、なんの策も打たずに事態を成り行きに任せてしまうと、与党批判は鳴り止まなくなる可能性が高くなっていたが、今回の「自粛策」を発表したことによって、逆に、批判的な空気を一転させる可能性が出てきたということ。

■どちらに転んでも損をしない「自粛策」

 もしこのまま、新型コロナウイルスの感染がそれほどひどくならずに春頃に収まれば、それが今回の「自粛策」の効果で有るか無いかに関係なく、「あの判断は英断だった」となる可能性があるということ。その判断の分水嶺(分かれ目)は、おそらく東京オリンピックが開催できるかどうかにかかっている。

 これで、東京オリンピックが無事に開催されるということになれば、それが今回の「自粛策」の効果で有る無いに拘らず、「安倍総理の判断は正しかった」ということになる可能性が高いと思う。
 一応、お断りしておくと、東京オリンピックの開催が重要という意味ではなくて、“開催できた”という結果が重要だということ。

 これまで水際対策等の対応が遅れたことで批判されてきた安倍総理が、この時点で思い切った策を打ったことで、世論の空気を逆流させる可能性が生まれたことになる。

 意図してかどうかは分からないが、そういう大きな賭けに出たと考えると面白い。この「自粛策」で社会の混乱を招いたとしても、ウイルス感染被害が拡大したということにはならないので、良く言えば、非常に頭の良い策であり、悪く言えば、狡智に長けた策だとも言える。

 いずれにしても、新型コロナウイルスの1日も早い終息を願う一国民としては、今回の「自粛策」が成功することを期待したい。
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posted by 自由人 at 22:27 | Comment(0) | 政治